活動ニュース

冷たい鉄格子の中で

 

2013/06/13
報告:KnKスタッフ 清水 匡

先月、フィリピンの「若者の家」に新しく男の子が入ってきました。

「8歳のマルビン(仮名)です。」とKnKフィリピンのスタッフが紹介してくれたので、挨拶をすると、聞き取るのが難しいほどの小声で「ハロー」と応えてくれました。マルビンは何万円もの大金を所持していたところ警察に捕まり鑑別所に収容されましたが、両親も親族も彼を受け入れる状況にないためKnKで保護することにしたのです。スタッフは「来たばかりの時はいつも怯えていて、自分から笑うことも話すこともできませんでしたが、最近は笑ったりほかの子たちと遊んだりできるようになりました。すごい変化です。」と嬉しそうに話してくれました。

若者の家では子どもたちがのびのびと生活している

若者の家では子どもたちがのびのびと生活している

KnKフィリピンはマニラ首都圏にある3ヵ所の鑑別所においても未成年受刑者を対象に活動しています。その内のひとつナボタス市鑑別所には6畳ほどの牢屋がふたつあります。私たちがそこを訪れた時は14人の子どもたちが収監されていました。

カビ臭い牢屋に閉じ込められている

カビ臭い牢屋に閉じ込められている

奥の牢屋には凶悪犯罪に問われている青年も

奥の牢屋には凶悪犯罪に問われている青年も

奥の牢屋は殺人や婦女暴行など、犯罪容疑で捕まった青少年が収容されています。手前の牢屋には、深夜、外にたむろしていたところを警察に捕まり、両親が迎えに来るまで保護されているストリートチルドレンが数人いました。中には15歳の少女もいます。彼女は「お父さんは私が小さい時に死にました。ここに来て1週間経つけど、お母さんはまだ1度も会いに来てくれません。」と話してくれました。

男子と同じ牢屋に保護された少女

男子と同じ牢屋に保護された少女

少女の黒い足は、厳しい路上生活を思わせる

少女の黒い足は、厳しい路上生活を思わせる

マラボン市鑑別所は前述のナボタスに比べるとを先に見ると部屋も広く窓があり、一見良い環境のように感じます。しかし、ここでは殺人や婦女暴行、窃盗などを犯した青少年と親から虐待を受け保護された子どもたちが同じスペースに押し込められています。13歳の少女は祖父に銃口を突き付けられるなど虐待を受けていたため保護されてきたといいます。

広く明るい窓があるとはいえ、 ナボタス鑑別所と条件は変わりない

広く明るい窓があるとはいえ、ナボタス鑑別所と条件は変わりない

KnKは週に1度、3ヵ所の鑑別所でゲームなどのアクティビティや軽食を提供する傍ら、法律の専門知識があるNGOと協力し、マルビン君のような、不当に収容され両親による受入れが困難な子どもたちの「若者の家」での受入れも行っています。

週に1度のアクティビティ(カラオカン鑑別所)

週に1度のアクティビティ(カラオカン鑑別所)

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予算に限りがあるため、KnKが活動できるのは週に1日のみです。その日以外は、子どもたちは冷たい鉄格子の中で何もすることなく長い1日を過ごしています。
このような状況下にある子どもたちへの支援は、まとまった助成金を得ることが非常に難しく、私たちの活動は皆さまのご寄付に頼らざるを得ません。
たとえ収監されていたとしても、子どもとしての時間を過ごせるよう、また、劣悪な環境からひとりでも多くの子どもたちが解放されますよう、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

ひとりでも多くの子どもたちが適切な保護を受けられるように

ひとりでも多くの子どもたちが適切な保護を受けられるように

 

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