活動ニュース

死海での海水浴

2010/02/15
報告:プロジェクト・コーディネーター 栗原 真由花

ジャパン・プラットフォーム
助成事業

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1月末にセンターでの1学期が終わりを迎えました。そこで各インストラクターによって「出席率が高い」もしくは「熱心」と判断され選ばれた計80名の子どもたちを対象に遠足を実施しました。ヨルダンは1年中暑いと思われがちですが、マルカの冬は寒く時には雪も降ります。寒さも本格的になってきたこの時期は、冬でも比較的暖かい死海へ行くことにしました。「死海」というと、人が水面に浮きながら本を読んでいる写真が日本の教科書に載っていたりするので多くの人が知っていると思います。日本からは非常に遠く離れた場所ですが、マルカのセンターからは車で1時間弱のところにあります。しかしここマルカに住む人々の多くはこの世界的にも有名な「死海」へ行ったことがありません。出発前に10数名の男の子たちに死海に行ったことがあるかと尋ねたところ、行ったことあるのは2名だけでした。

ヨルダンの人々は、日本の人々に比べるとかなりのんびりしていますが、この日は出発時間を何度も指示したからか、全ての参加者が出発の30分前には揃っており、予定出発時刻の15分前に出発することが出来ました。日本では当たり前かもしれませんが、ヨルダンでは非常に珍しいことです。それだけ、参加した子どもたちは楽しみにしてくれていたのだと思います。

みんな楽しみにしていた遠足当日、時間前に全員集合。バスに乗って出発です。

ヨルダンでは、ある程度の年齢になると男女が一緒にいることがよしとされないため、初日は女子と2日目は男子と2回に分けて死海に遠足に行きました。バスは出発すると大音量の音楽とそれにあわせて手拍子しながら歌っておおはしゃぎする子どもたちで道中ずっと揺れていました。危ないので何度も席につくように注意しても、子どもたちは、興奮しているのかすぐに席を立ち背伸びして景色を眺めたり、らくだやロバを見かけては大声を上げていました。海が見えてくると、「着いた!」「着いた!」とアラビア語で大合唱が始まりました。バスが停車し扉が開くと、我先にと飛び出そうとする子どもたちをスタッフとインストラクターが必死にとめていました。

みんな一目散に死海にザブーン!!

 

肌に良いとされる死海の泥。お互いの顔に塗り合って遊びました。

女子の日は、夏日のような暑さだったため、子どもたちの多くは数時間海に入って泳いだり、肌にいいと言われる死海の泥を顔や体に塗って遊んでいました。当日は、ヨルダン人の子どもたちもそしてイラク人の子どもたちも参加していましたが、一緒に泳いだり、昼食を一緒にとったりと仲良く過ごしていました。男子の日は、風が強かったこともあり、子どもたちはしばらく泳ぐと比較的早く着替えを済ませバスに戻りました。バスが停車されている場所に戻ってからは、ベドウィン(遊牧民)のラクダやロバに乗って遊んだりしていました。女子の日は、半日死海の砂浜で過ごしましたが、男子の日は、死海で少し泳いで遊んでから、昼食をとりにピクニックが出来そうな木々のある場所に移動しました。そこで男の子たちは、お茶を飲んだり軽食を取ったりしていました。また、彼らの中にはチェスを持参した子もおり、友人とチェスを囲んで雑談したり年長者から年少者まで一緒になって追いかけっこをしたりと思い思いに過ごしていました。

チェスを持ってきた男子。

 

ラクダに乗るのも初めての体験。思ったより高くて怖いよー!

この遠足は、死海で泳ぎピクニックを楽しむと同時に集団行動をする際の注意点、年長者の役割、環境を思いやるといったことを少しでも学んでもらうことも目的としていました。特にほとんどが年長者のピアエデュケーターたちには、年下の子どもたちの面倒をきちんと見てもらいました。

もう帰る時間かぁ、楽しいとあっという間に終わっちゃう。帰りたくないよー!

今回は年少者も含まれていたため、あたりが暗くなる前の夕方3時には死海を出発したのですが、子どもたちの多くは「帰りたくない」「他のところに行きたい」と駄々をこねていました。マルカの子どもたちは、普段、娯楽や外出の機会が限られた中で日々生活しているので、今回の死海への遠足が大きな気分転換となり、今後も当センターで学習を続けたいと思ってくれるよいきっかけになってくれたらと思います。またピクニック終了後は、ゴミ拾いを全員で行い、砂や泥で汚れたバスはピアエデュケーターたちが綺麗にしてくれました。楽しみながら、同時にこういった大切なことをすこしずつ学んでいってくれたらと思います。

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