活動ニュース

2021年の活動報告と担当者からひと言!~パレスチナ~

2021年にパレスチナにおいて取り組んだ活動内容と、担当者からのひと言!をお届けします。

2020年から作成に取り掛かった教員・職員・保護者向けハンドブックが完成し、教育のより一層の充実につながりました。

■ 実施期間:2017年11月~2021年8月
■ 実施地域:パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区ジェリコ県
■ 裨益者とその数:6~15歳の子ども1,373名(公立校2020年度登録1,185名、キッズセンター188名)、保護者 48名、公立・私立学校教職員 225名(研修参加者32名、ハンドブックワークショップ参加者193名)、子ども支援センター職員6名
■ パートナー・関連諸機関:日本国外務省、パレスチナ自治政府教育省、
公立・私立学校(教員研修参加校8校、ハンドブックワークショップ参加校12校)、ジェリコ市役所、ジェリコ市子ども支援センター
◇本事業について◇
子どもたちが精神的に落ち着き、社会性を向上させるために、学校と子ども支援センターの活動の拡充を目指す活動を2017年から開始しました。音楽・演劇・美術・心理ケアの活動を提供できる教員や職員を養成するために、学校教員、子ども支援センター職員を対象とした研修を行い、さらに、保護者向けワークショップを開催し、地域、学校、家庭で子どもたちをサポートできる仕組みと知識の拡充を目指しました。
事業最終年は、KnKの活動終了以降も充実した子ども支援が継続されるよう尽力し、今後もジェリコ県の子どもを多角的に見守り、活動を提供する土台作りができました。
■子ども支援センターの活動、教職員研修、保護者ワークショップ
・子ども支援センターでは、子どもの受け入れができない時期に職員がパペットショーを撮影してSNSに投稿し、親子で楽しめるゲームの紹介を行いました。

・子どもの受け入れが可能な期間は、子どもの登録人数を制限し、子どもをグループごとに分けてセンターが密にならないよう気を配るとともに、消毒や検温、換気、マスク着用などの感染対策をとり活動を行いました。新型コロナウイルスの流行以来、1年以上もの間、不自由な生活を送っている子どもたちにとって、センターは子ども同士が繋がり楽しく遊べる貴重な場となっており、センター職員は毎回違った活動を提供できるようミーティングや準備を重ね、子どもたちが安心して楽しめる場作りに努めました。子どもや保護者たちからは、「友だちと一緒に遊べて楽しい」「家にいるしかなかった子どもたちが、体を動かして遊べる場ができて喜んでいる」といった声が聞かれました。

・事業終了後の子ども支援センターの運営についてセンターを管轄するジェリコ市と協議を継続し、事業終了後もKnKの活動で雇用した子ども支援センターの職員2名はジェリコ市が雇用を継続しています。職員はセンターでの活動に加え、地域への出張活動の提供や保護者向けワークショップなどを引き続き精力的に行っています。
・教員向けの研修は、パレスチナの4団体の協力のもと感染対策を取った上で、全て対面で行いました。教員自身のコロナ禍のストレスを軽減する内容も盛り込み、研修の集大成として教員同士が自らの授業で行っている内容をシェアする時間も設けました。
・保護者向けワークショップは、ヨルダン渓谷の村や難民キャンプにおいて実施し、保護者同士がつながり、悩みを共有できる場となりました。

・事業終了後も子どもとの関わり方、アクティビティなどのアイデアを参照できるよう、2020年から作成に取り掛かった教員・職員・保護者向けハンドブックが完成し、ワークショップを公立校12校で行いました。
・事業終了時に、教育省の協力の下、教員がハンドブックや研修で学んだことを活かし、授業案を考えるアイデア発表会を開催しました。応募者の中から、アラビア語とパソコンの授業で演劇のアイデアを活用した教員2名を表彰しました。

パレスチナ現地代表:福神 遥

2017年から約3年半に渡って行ったジェリコ県での事業が2021年に終了いたしました。新型コロナウイルス流行によるロックダウンや移動制限、イスラエル政府によるヨルダン渓谷併合案やガザ地区への攻撃と、それに伴うパレスチナ全域での衝突など、子どもだけではなく、大人もストレスや不安感、怒りを感じることが多い日々でしたが、人と人が繋がり、悩みを共有し合ったり、同じ空間で過ごしたり、楽しく活動する大切さを学ぶ機会にもなりました。ジェリコ県での事業は一旦終了しましたが、今後もパレスチナでの活動を続けられるよう、現在新規事業の準備を進めています。

【パレスチナ活動概要】

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