活動ニュース

小さなパレスチナ人の大きな夢(最終回)

2013/11/13
報告:KnKスタッフ 清水 匡

一方、「町」チームも撮影を進めていました。しかし、町の文化を紹介しているはずなのに、そこには常に「壁」の存在がありました。

お菓子屋さんにお店紹介のインタビューをしているとき、いつの間にか「壁がお店に与える影響」を質問していました。また、ダブカという伝統舞踊の先生にインタビューしたとき、先生は「僕はダブカが大好きでこの踊りを通して壁と戦っているんだ」と答えました。

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衣装と華麗なステップがダブカの特徴

パレスチナの人たちにとって「壁」という存在がいかに大きく、また心に深く突き刺さっている問題だということがよくわかります。そこで、こんな提案をしてみました。「壁チームは『壁』というテーマで行き詰っている。一方、町チームも『壁』という存在を避けることはできない。それだったら2チームの作品を合わせて1つの作品にしてはどうだろうか」
すると子どもたちは「それはいい考えだ。うん、みんな一つだ」と言って一致団結したのです。それぞれの作品では表現しきれなかったものが、一つの作品にすることで自分たちのメッセージを盛り込む準備ができたのです。

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自分たちの思いをナレーションに吹き込むビデオチーム

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最終日の発表会では子どもたちによるダブカ、演劇、そしてビデオ上映が行われ、たくさんの人たちが会場に来てくれました。また、在イスラエル大使館二等書記官神谷氏、在ラマッラ日本国政府代表事務所副所長本田氏も足を運んでくださいました。

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日本からもゲストを迎え開催された発表会

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アルザリアの壁近くでは夕方暗くなると若者が投石し、それに対してイスラエル警察や軍が催涙弾などで応酬します。こうした若者たちは「暴力」で戦っています。しかし平和をもたらすには別の武器が必要なのです。「協調」、「踊り」、「音楽」そして「教育」。こうした武器でも戦うことができることをこのビデオを通して学びました。

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暗くなる頃、若者とイスラエル警察との小競り合いが始まる

最後にビデオチームに夢を聞きました。「銀行員」、「スタイリスト」、「演劇の先生」、「エンジニア」など、子どもたちは将来に素敵な夢を描いています。たとえさらに高い壁が立ちはだかろうとも、誰も子どもたちの夢を止めることはできないのです。

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ビデオチームのみんな

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