2011/02/10
報告:KnKスタッフ 松浦 ちはる
1月末にピーター・フランクルさんが、フィリピンの活動地を訪問されました。
数学者で大道芸人としても有名なピーターさんは、「若者の家」の子どもたちやストリートチルドレンにジャグリングを披露してくれました。
滞在中にマスターしたタガログ語で直接語りかけると、子どもたちは大喜びです。
「若者の家」で開かれた歓迎会では、子どもたちが得意のダンスや歌を披露しました。
ピーターさんが、「日本に帰国したら、ジャグリングで寄付を募って送ります。みんなも勉強をがんばってください。」とスピーチすると、大歓声が上がりました。
ストリートでの活動、厳しい現状と希望
KnKフィリピンのストリート活動を担当しているのは、ピア・エデュケーターのジュンジュン(28歳)とハロルド(22歳)です。2人は元ストリートチルドレンだった経験を活かして、ストリートチルドレン支援に取り組んでいるスタッフです。 毎週訪れている活動地には、彼らとは異なり、未だ路上生活を続けている同世代の若者が少なくありません。
この日、2人が向かったバリンタワクという町のストリートでは、元ギャングのリーダーをしていたジェイソン(21歳)が待っていました。路上で生まれ育った彼は栄養不足のため体は小さいですが統率力があり、KnKが活動する時はこの界隈のストリートチルドレンをまとめてくれています。
昨年12月上旬に、彼と17歳の奥さんの間に3人目の赤ちゃんが生まれました。新たなストリートチャイルドの誕生は、この地域ではめずらしくありません。
そこから少し離れた場所で、ケビン(9歳)の母親に会いました。この母子は歩道橋の階段下にダンボールを組んで暮らしています。
住居といっても畳2枚ぐらいのスペースでしょうか。その隣で母親が露天商を営んでいます。
この日ケビンは学校に行っていて不在でした。ストリートチルドレンの中にも、公立学校に通っている子どもたちが少なからずいます。
ピア・エデュケーターのジュンジュンは、早ければ2月末にはケビンを「若者の家」に住まわせるつもりだと教えてくれました。
現在、13人の子どもたちが生活している「若者の家」の定員は限られてるため、ケビンの受け入れを決めた理由を聞くと、
「ケビンは勉強が好きだし、ラグビー(シンナー)を吸ったこともない。それに、母親もOKしてくれたからだよ。」と、ジュンジュンが答えました。
家族と離れて暮らすことになりますが、ケビンが「若者の家」の生活に早く慣れて、ジュンジュンたちのように成長してくれることを願っています。