活動ニュース

学校再建、9ヵ月が経過し・・・

2014/03/13
報告:KnKスタッフ 熊本 晃順

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<学校再建、BEFORE→AFTER>
2014年2月に、KnKが学校再建事業を行っているハイバル・パフトゥーンハー州マンセラ郡を訪問しました。前回訪問したのは2013年5月。9ヵ月が経過した今、前回訪れた学校の再建状況を確認しました。

↓前回訪問時のニュースはこちらから↓
教室で学べる喜び(前編)
教室で学べる喜び(後編)

ここNawazabad男子高校では、7年半残されていた校舎跡がついに撤去され、建設中だった高校校舎は、2013年12月末に完成・開校することができました。

BEFORE

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AFTER

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2階建ての校舎は、ブルーと黄色に塗られ、屋根は赤い色で仕上げられました。
山々に囲まれても存在感を放つ校舎は、地域のシンボルとして見られています。

KnKパキスタン 学校再建支援2月は学校の冬休みだったため、生徒の授業風景は見ることができませんでしたが、12月にはさっそく新築された理科室で、物理の実験が行われたそうです。

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以前校舎として使用していたテントや木造小屋は、倉庫や職員の宿直室として使用されるそう。 校庭には、クリケットを楽しむ生徒の姿も。

以前校舎として使用していたテントや木造小屋は、倉庫や職員の宿直室として使用されるそう。校庭には、クリケットを楽しむ生徒の姿も。

訪問時には、再建に協力してくださった地域の方々、学校の校長や教職員の方が歓迎会を催してくれ、この高校が「希望の場所」であると伝えてくださいました。

学校校長(右)と話す現地パートナー団体FWA事務局長ジャヴェッド・イクバル(左)

学校校長(右)と話す現地パートナー団体FWA事務局長ジャヴェッド・イクバル(左)

<地域の協力、学校への期待>
学校再建事業は、ただ場所に学校を再建すればよいということではなく、地域の方の理解や協力が欠かせません。

小学校を再建したKangar Banda地域では、2005年の震災後、学校跡地などを利用し授業を再開させたものの、過酷な教育環境に生徒の数が減少し、近年は生徒登録数がほとんどゼロとなってしまっていました。

今回、この地域のリーダーであるジェン・ゼブさんにお話しを聞くことができました。

この地域の教育環境について話してくれるジェン・ゼブさん(右)

この地域の教育環境について話してくれるジェン・ゼブさん(右)

学校に行かない間、子どもたちは何をしていたのですか?
― 子どもたちは、友人同士でただ時間をつぶすだけでした。教育はおろか、集団生活の規律や社会のルールを学ぶ機会すらなかったのです。

今回学校が再建されました。親や大人の立場から、どうお考えでしょうか?
― 学校再建は、この地域にとって大変うれしいことです。子どもの教育をあきらめていた親からも喜びの声が上がっており、地域の教育への理解も向上したと感じます。

子どもたちには、学校で何を学んでほしいですか?
― 勉強はもちろん、さまざまなルールを学んでほしいです。子どもたちが、将来家族や地域、国のために貢献・活躍できるよう、心身共に成長できる場であってほしいと思います。

ジェン・ゼブさんも話すように、学校は学習以上の意味を持つ場所であり、大人からも大きな期待が寄せられる場所なのです。

再建した小学校に子どもが通っているという父親(写真手前)。 以前は、宗教上の理由というよりも、安全面への懸念から娘の通学に消極的だったという。学校が再建され、今は安心して娘を学校に通わせられる。

再建した小学校に子どもが通っているという父親(写真手前)。
以前は、宗教上の理由というよりも、安全面への懸念から娘の通学に消極的だったという。学校が再建され、今は安心して娘を学校に通わせられる。

4年にわたって行ったマンセラ郡での学校再建事業は、この3月をもって終了となります。
KnKと現地パートナー団体FWAは、外務省ならびに日本の皆さまからの支援のもと、同郡内に小中高校40校を再建することができました。今後は場所をアーザード・ジャンムー・カシミール(AJK)地域に移し、引き続き地震により学校が倒壊し、安全な環境で教育が受けられない子どもたちのため、再建事業を継続してまいります。

ご支援ありがとうございました!

ご支援ありがとうございました!

※ パキスタンにおける学校建設プロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用と、日本の皆さまからのご寄付により成り立っています。

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