2010/09/14
報告:KnKスタッフ 清水 匡
ジャパン・プラットフォーム
助成事業
KnKはパキスタン豪雨被害を受けて北西部ハイバル・パフトゥーンハー(KPK)州のコヒスタン郡にて教育支援を行っています。
同州コヒスタン郡は、インダス川が3,000~4,000メートル級の山々に囲まれている自然豊かなとても美しい場所ですが、山が険しく電気水道が整っていないため人々の生活はとても厳しい地域でもあります。また、少数過激派が活動する地域にも近いため、軍や警察が銃装備をして物々しい状況が続いています。
コヒスタン郡での被害はインダス川をはじめとする支流が大氾濫し、川沿いが特に大きな被害を受けました。そのほか山岳地域ということもあり、地すべりや土石流が多発して、山崩れで大きな岩々に押しつぶされてしまった村もありました。幹線道路から山腹へ向かう道路も被害が大きく、山腹に住む人々は民家が流され、さらに麓との往復にも苦労しています。
現在コヒスタン郡で被災した学校は9月20日まで休校となっており、夏休みから数えて3ヶ月間学校が閉鎖された状態になっています。「学校がないと毎日がつまらないんだ」と語る兄のアブドラアジズ君(8歳)は21日になっても壊れた学校で授業が再開されるどうか不安だと言います。
また、調査を進めていく中で、2005年にこの地域を襲った地震で壊れてしまった学校も目に付きました。被災以降、修復されることはなく子どもたちは、壊れた校舎やテントで勉強を続けてきました。そして今回の水害でテントや椅子、机、教材などが流され学校の再開が危ぶまれています。
KnKは第一ステップとして、被災した約30の学校を対象にテントや教材を配布し、生徒たちが授業を再開できる環境を整えています。そして子どもたちが少しでも日常を取り戻すように活動しています。
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被災した子どもたちを支えるため、緊急支援にご協力ください
パキスタンの洪水被害は国土の5分の1に達し、1540万人~2000万人の被災者のうち600万人が子どもと推定されています。
2005年のパキスタン大地震からの復興半ばに、再び人々を襲った災禍。今後も被害の拡大が懸念され、回復には時間がかかることが予想されます。
パキスタンはアフガニスタンやインドと国境を接し、「世界の平和と安定の要」と考えられています。平和と安定のためにも、次の世代を担う同国の子どもたちの教育が途絶えることがあってはなりません。
KnKは2005年の大地震発生以降、これまで延べ約2,500人の現地の子どもたちに対し、教育や心理ケアなどの支援を行ってきました。今回の緊急支援においても教育支援を軸に、現地パートナーとともに被災した学校施設へテントの配布などの支援を実施・継続していきます。
貧困や被災などで困難な状況にある子どもを、最も深い絶望に追いやるもの―― それは周囲の無関心です。被災した子どもたちへの温かいご支援を賜りますよう、お願いいたします。
通信欄に 『パキスタン豪雨』 とお書き添えください。
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