パレスチナ 壁に閉ざされた誇り高き子どもたち
国境なき子どもたち写真展2014 「パレスチナ 壁に閉ざされた誇り高き子どもたち」
撮影:ハービー・山口
写真家のハービー・山口さんをパレスチナに派遣し、KnKが現地NGOと共に運営しているユースセンター「希望の家」に通う子どもたちや人々の暮らし、そしてそこに存在する「壁」を写してもらいました。
- エルサレムの旧市街。多くの外国人観光客でにぎわう。
- 分離壁。パレスチナ自治区内の主要道路を寸断し、水源もえぐっている。
- 壁には落書きからアートまで人々の訴えが描かれている。
- 「子どもたちの将来は?」という質問に対し「我々ベドウィンの子どもは羊を飼って暮らすしかないよ」
- エルサレムから分離壁を挟んだ反対側にある町アルザリア。ここに住むパレスチナ人は自由にエルサレムに行くことはできない。
- 壁に近いこの町では若者が投石で抗議、イスラエル軍による催涙弾で応戦が繰り返される。
- 町の店主たちは口を揃えて言う。「俺たちパレスチナ人もイスラエル人も兄弟同士なのにさ、なんで殺し合わなければならないんだ」
- KnKユースセンターに通う少女。
- パレスチナの公立学校には音楽などの授業はない。子どもたちはユースセンターで音楽を楽しむ。
- 「私たちはテロリストなんかじゃない!ただ私たちはパレスチナ人として平和に暮らしたいだけ!」
- 自分の国がやがては無くなってしまうかも知れない現実を何年も何年も実感しているのに決して彼らの瞳は濁っていない。
- 最終日バスの時間が迫る中、夕日の光線が美しく、急いで子どもたちを連れて空き地に行った。
プロフィール
ハービー・山口
1950年、東京都出身。中学2年生で写真部に入る。大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間を過ごす。 一時期、劇団に所属し役者をする一方、折からのパンクロックやニューウエーブのムーブメントに遭遇し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンの最もエキサイティングだった時代を体験する。そうした中で撮影された、生きたロンドンの写真が高く評価された。 帰国後も福山雅治など、国内アーティストとのコラボレーションをしながら、常に市井の人々にカメラを向け続けている。 多くの作品をモノクロームの、スナップ・ポートレイトというスタイルで残している。 その優しく清楚な作風を好むファンは多く、「人間の希望を撮りたい」「人が人を好きになる様な写真を撮りたい」というテーマは、中学時代から現在に至るまでぶれることなく現在も進行中である。 写真発表の傍ら、エッセイ執筆、ラジオ、テレビのパーソナリティー、さらには布袋寅泰のプロジェクト「ギタリズム」では作詞家として参加している。
審査員:CAPA(学習研究社)カメラライフ(玄光社)の月刊フォトコンテスト、よみうり写真大賞
選考委員:上野彦馬賞
受賞歴:2011年度日本写真協会賞作家賞