活動ニュース

東日本大震災から2年 「走る! KnK子どもセンター」の子どもたちは、今

2013/03/08(金) ジャパン・プラットフォーム
助成事業

岩手の子どもたちは今2011年3月11日に東北地方を襲った東日本大震災から2年が経過しました。この震災で亡くなられた方、未だ行方不明の方は2万人にもおよびます。東北地方の沿岸500キロメートルにもわたる被災地の復興は始まったばかりで、2013年3月現在も約31万人もの人々が仮設住宅などでの生活を余儀なくされているといいます。

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国境なき子どもたち(KnK)は、これまでに岩手県を中心に、100校近い小・中・高校、5,000人規模の生徒、そして19地区の人々を対象とした支援活動を行ってきました。
KnKは2011年3月に開始した被災地での活動を2016年まで継続する予定です。

岩手県陸前高田市で運行している「走る ! KnK子どもセンター」のスタッフから、子どもたちの
「今」を報告いたします。

走る! KnK子どもセンター「走る ! KnK子どもセンター」とは:
中型バスを改造し、机と椅子、本棚を設置した移動型の学習スペースを備えたバスとして、放課後に仮設住宅や学校を巡回し、子どもたちに居場所を提供しています。2011年12月より陸前高田市で2台のバスを運行しています。

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報告:KnK岩手スタッフ 畠山 理恵

子どもたちの遊び場が後回しに

陸前高田市では被災後ほとんどの公園、学校の校庭が仮設住宅の敷地、駐車場へと変わりました。限られたスペースで住む場所を確保するには仕方ないかもしれません。子どもたちも当初校庭は仮設住宅で埋め尽くされているはそう思って我慢したでしょうし、大人に対する遠慮もあったと思います。しかし今少しずつ町が復興していく中で、いつまでも子どもの遊び場が後回しになっているのは問題だと感じます。

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「学校では校庭がないから休み時間は体育館を曜日ごとに学年にわけて遊ぶんだよ。だから毎日遊べるわけじゃないし」と子どもたちから聞いたり、以前はショッピングセンターのゲームセンターやカラオケで放課後や休日をすごしていた中高生も集まる場所がなく、仮設住宅の部屋にぎゅうぎゅうになって遊ぶと聞きます。
町の大部分が被災した陸前高田では、公園と呼べる場所は数えるほどしかありません。
そのほんの少しのスペースを見つけ、子どもたちは力いっぱい動き、遊びますが、それだけでは十分ではありません。
子どもたちが気兼ねなく居られる場所、安心して全力で走り回りボールで遊べる場所が1ヵ所でも多く、少しでも早く陸前高田にできたらと心から思います。

「走る! KnK子どもセンター」の子どもたちは、今

現在、平日のほぼ毎日、陸前高田市の4ヵ所で放課後に小中学生を対象とした「走る!KnK子どもセンター」を運行しています。2011年12月にこの子どもセンターを開始して1年以上が経ち、利用する子どもたちにも少しずつ変化が見られます。

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走る!KnK子どもセンターでトランプをする子どもたちセンターにもスタッフにも慣れ、学校から「ただいま!」と帰ってくる子、「きょうねークラブでスライム作ったんだよ」という報告。バスが来るのを順番に列を作って待っている子どもたち。

最初は、どの場所でも『勉強バス』『バス勉』と呼ばれていましたが、時間が経つにつれ、それぞれの運行場所で大きく雰囲気が変わり、今ではそれぞれのカラーがあります。
滝の里仮設住宅では勉強が終われば外で鬼ごっこやなわとび。竹駒小学校では1年生から6年生までがまるで家族のように話し、お絵かきや工作が大好き。竹駒中学生の部では学年や学校が違っても仲良くおしゃべり。滝の里に来る中学生は女子の利用が多くガールズトークに花が咲き、逆に小友中学校は野球部男子の利用でとて暗くなるまで勉強に集中する中学生も静かに集中して勉強。
たまにトランプなど息抜きはありますが、基本的には3年生のお兄さんたちが「静かに」と注意しながら勉強に励んでいます。広田中学校は男子も女子も仲良くほぼ1学年全員が利用しています。

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まずは、勉強!
保護者の皆さまや学校からの期待と要望にも応えていけるよう見守っていくと同時に、子どもたちが過ごしやすい居場所をこれからも提供していきます。

あなたの力が必要です
東北支援事業 移動型子どもセンター 調整員 急募

岩手県沿岸部で実施する「走る! KnK子どもセンター」で、子どもたちの学習や遊びの時間に見守りをしていただくお仕事です。多くの子どもたちがあなたを待っています。
ご関心のある方はぜひご応募ください。  【詳しくはこちら】

支援者の皆さまへ
センターで子どもと語らうスタッフの畠山
いつもあたたかいご支援ありがとうございます。

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日々少しずつですが復興に向けて進んでいます。町は新しくお店も増え、活気が戻りつつあります。ご支援くださる皆さま、そして他県から訪れてくださるボランティアの方々のご協力をとても心強く感じると共に、今後も地元のニーズを聞き、何が必要なのかを考え活動したいと思います。皆さまの変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。

KnKスタッフ 畠山 理恵

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※この度の東日本大震災で被災した子どもたちへの支援にご協力ください。
注)東北支援用としてお送りいただいたご寄付については、他の用途には使われません。

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