2014/09/09
報告:現地事業総括 加藤 香子
【シリア難民支援事業】
先ニュースでお知らせしたとおり、ヨルダンでは難民キャンプ外に住むシリア難民へ向けた支援の一環として、難民の多い北部の公立13校における進級へ向けた補習授業の提供および学校教育強化事業を実施しています。
https://knk.or.jp/jor140530/
今号では、先月に行われた夏期活動の様子についてお伝えします。
教師と生徒の信頼関係を築く
この活動は、新学期から本格的に始まる補習授業の前の導入的な活動です。夏休みの1ヵ月間を利用し、各校3回、活動を実施しました。KnKのことをより知ってもらうため、9月開始の補修授業への参加を促すため、そして何よりも、授業を担当する先生と生徒の関係作りが重要な目的です。
まず、活動を始める前に、各学校の校長と先生を集め、事前ワークショップを開催しました。
次に、このワークショップに参加した先生らとKnKのスタッフが協力しながら、実際に活動を実施していきました。
活動の内容は、体を動かす遊び、協力し合うゲーム、絵日記の時間も設けました。
イード(イスラム教の祝日)の思い出について描く日記では、ヨルダンに来る前と後での対照的な様子を描く生徒もいました。
一枚一枚の絵日記を通し、彼らが胸の内に抱えるさまざまな想いが伝わってきます。
活動を通じて見えてきたキャンプ外シリア難民が抱える問題
この活動を通じ、キャンプ外に住む難民の生徒らが抱える実態も浮き上がってきました。家賃の安い住居に住むことで学校が遠くなり、交通費が家計を圧迫した結果、泣く泣くKnKの活動に来られない生徒。ご飯をきちんと食べられず、活動中も集中できない生徒。キャンプ内では受けられるかもしれない支援が行き届いていない実態です。
こうしたキャンプ外に住むシリア難民の子どもたちに対して、KnKでは求められる支援を今後も継続していきたいと考えています。
引き続き、皆さまからの温かいご支援、どうぞよろしくお願いします。
9月7日現在、ヨルダン国内で暮らすシリア難民の数は615,546人。
その内半数以上の52.3%が17歳以下の子どもたちです。