活動ニュース

キャンプ外で暮らす子どもたちへの支援

2014/05/30
報告:インターン 井藤 珠絵
【シリア難民支援事業】

国境なき子どもたち(KnK)は、2014年3月25日よりシリア難民支援の一環として、ヨルダンでのホストコミュニティ公立校における進級支援および学校教育強化事業を開始しました。

対象となるホストコミュニティの学校

対象となるホストコミュニティの学校

1.支援を必要とする背景

紛争の続くシリアから隣国ヨルダンへ避難してくる難民は、2014年9月には約55万人にのぼり、そのうち約19万人が就学期の子どもだと言われてます。彼らはその困窮した生活環境が故に児童労働や武装勢力への関与等のリスクにさらされており、このままではシリア人に学校教育を受けていない「失われた世代」が生まれてしまうことになります。
学校教育の機会を逃していたシリア難民の子どもたちの「教育を受ける権利」を守るべく、公式教育への継続したアクセスを援助する取り組みを行うことにしました。
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学校で勉強するシリア難民の子どもたち

学校で勉強するシリア難民の子どもたち

また、ヨルダン国内にいるシリア難民の約75%の人たちが難民キャンプの外に住んでいると言われており、受け入れ側であるヨルダンの教育現場における負担は非常に大きく、キャパシティ不足の問題が指摘されています。そこで、学校教育を担うヨルダン教育省への支援を通じて、受け入れ側の能力強化および負担の軽減をはかる取り組みも同時に行うことにしました。

2. 具体的な活動内容

シリア難民の子どもはヨルダン公立校に転入したものの、カリキュラムの違いや通学できなかった期間があることで学習に遅れが生じ、進級できず、継続した教育を受けられないといった事態が起きています。こういった問題に対応するために、ヨルダンの中でもシリア難民が多いイルビッド県及びマフラック県の公立校13校において2,340人のシリア難民生徒を対象に進級のための特別授業を実施します。

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また、ヨルダン教育省と協働の運営委員会を設立し、進級支援プログラムの策定やモニタリング、定例会議を通して、教育省の能力強化を図ります。さらに、今回のプログラムのために新たに雇用する教員に対して研修を実施し、教員がヨルダンにおける現在の学校教育の課題やシリア難民生徒の各教科における弱点を知り、加えて、困難な状況にある子どもへ指導・対応する際の心構えや教員自身のストレスマネジメント法を学ぶことで、質の良い学習環境を提供します。

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ホストコミュニティの路地で遊ぶシリア難民と地元の子どもたち

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