2009/11/12
報告:KnKスタッフ 清水 匡
インドを訪れたのは今から4年ほど前。津波で被災した子どもたちを対象としたビデオワークショップをインドのKnKホームで行いました。
そして今回4年ぶりに彼らに会いに行きました。子どもにとっての4年間は、私たち大人の4年間よりも大きな変化をもたらしていました。目に見える一番大きな変化といえば体の成長です。
男の子たちは私より背が低かったのですが今回はそのほとんどの子に抜かされてしまいました。中にはひげを生やしている子たちもいます。 女の子も同様に身長が伸び、おてんばだったチビチャンたちもすっかり落ち着いてお姉さんになっていました。しかし話をしてみると4年前の彼らのままで、おもわず目を細めてしまいます。
津波後、多くの人たちが再婚し新しい子どもを授かり新しい人生を始めています。しかし、ティラカワディの母親は独身を貫いています。母親は言います。「もし私が再婚して新しく子どもが生まれたら、その新しい家族の面倒をみるのに精一杯になってしまいます。母親としてそんな無責任なことはしたくありません。」
実際、私が訪れたほかの家庭では親が再婚して新しく子どもが生まれ、貧しいながらも幸せな生活をおくっている家庭もありました。そしてその家庭では今の新しい家族を養っていく余裕しかなく、仮にKnKホームに預けている子どもが明日にでも戻ってきた場合、その子を養っていくことはできないと言います。しかし一方で、ティラカワディの母親に娘と息子二人を養っていくほどの余裕がないことも事実なのです。
現在、KnKホームに残っている子どもたちが自立していくためには、家族に頼るのではなく、今の勉強ができる環境を活かすしかないのかもしれません。あともう数年、彼らを支援してあげることができればと願うばかりです。