スタッフ日記 認定NPO法人国境なき子どもたちブログ

私の宝物

こんにちは。フィリピン「若者の家」で教師をしているアイリーンです。

人生は予想もしないことにあふれています。私は6年間教育機関で仕事をし、7年間コミュニティで働いていました。幼稚園から学士レベルの生徒まで教えて、さまざまな職業や背景の生徒たちにこれまで出会ってきました。教員として、私はすべてのタイプの生徒に出会ってきたと思っていました。

パンデミックが発生し、ビジネスや、私が関わっていた学校も含め、私立学校は閉鎖を余儀なくされました。そのため、私は職を失い、ブラカンの実家に戻り、姪や甥の世話をしながら彼らの勉強を手伝っていました。そこでの滞在中、近隣の子どもたちのほとんどが読むことに困難があり、英語で書かれた教材を理解できないことに気づきました。彼らに無料のチュートリアルを提供することが私の使命になりました。保護者や行政の許可を得て、彼らを私の自宅に集め、読み方を教えたり、学習のサポートを始めました。私はよくやっている、と私は自分自身を誇りに思っていました。

ただし、それはKnKフィリピンに雇われるまでのことでした。KnKフィリピンは特別な保護を必要とする子どもたちをサポートしていて、「若者の家」で生活する子どもたちの目は暗くよどんでいました。彼らの行動や言葉から彼らの気持ちを理解することが難しく、彼らを見ていると、私は自分が巨大なスペースの真ん中にいるような気持ちになりました。すべてのタイプの生徒たちに出会ってきたという私の気持ちや、私はよくやっている、という私の気持ちはすべて打ち砕かれました。

彼らに出会った最初の1週間は少しチャレンジングな週になりました。「若者の家」の9人の生徒の年齢も学年もバラバラで、年齢と学年もマッチしていません。怠ける気持ちがある子どももいて、課題に取り組む態度もよいものではありませんでした。不満ばかりを口にして、気分の波があるかと思えば、時々はかんしゃくを爆発させる子どももいました。字も上手に書けず、読むことがとても遅い子どももいれば、まったく読めない子どももいます。学習の遅れもあり、どうやれば彼らのニーズに応えられるのか、何から手を付ければいいのかといったことが寝る前に頭の中をグルグルしていました。

2週目は私自身の彼らを見る目を変えました。難しいことかもしれませんが、不可能ではありません。彼らの学習の遅れを少しずつ取り戻すことができる4つの教科を私はまず選びました。それは、英語の文法、数学、読むこと、そして書くことです。まず、英語のアルファベットから開始し、彼らの手書きの文字を修正しながら、彼らの忍耐力を試しました。ほとんどの子どもが文句を言いましたが、それでも与えられたタスクを終えることができました。私が選んだすべてのトピックは、彼らの学習の遅れを取り戻すだけではなく、彼らの、そして私の忍耐力の課題に取り組むものでした。

私との関係が築かれるにつれ、彼らは自分たちの宿題を見せることに自信を見せるようになり、勉強の習慣ができ、学校の課題に取り組む前のルーティーンを作り始めました。成績が上がったことで自分の怠け癖と戦うようになり、個々の子どもがそれぞれの役割の中で能力を発揮し、勉強に意味を見出し、そして何よりも夢を描くようになりました。それも、自分のためだけではなく、自分の大事な人のためにも。

何人かはいい成績で卒業し、他の子どもは次の学年に進級することができました。「教育はすべての敵に立ち向かう一番大事な対抗手段だと思う。よい教育は僕らをよりよい僕らに導いてくれる。」と一人の子どもが言いました。

彼らが私から学んだように、私も彼らから学びました。教師として私が彼らに提供すべきことは、彼らの学習の遅れを取り戻すことではなく、彼らの短所を受け入れ、彼らのありのままを受け入れる心だと思います。どんな紙やペンでもなく、彼らを愛することが、彼らと関わる中で最も基本的で最も必要な道具だと思います。

あらゆることを考慮に入れたうえでなお、私が彼らと達成したことに比べれば、それ以前に私が成し遂げたことは何でもありません。彼らは深い海の中で見つけた大きな真珠のようなものです。彼らには傷ついた過去があるかもしれませんが、不屈の努力と忍耐力を持って、彼らは明るい将来を作ることができます。

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