こんにちは。ヨルダン事務所でインターンをしている辻元です。
6月5日から6月9日にかけて今年2度目のイードがありました。イスラム教においてイードは、アラビア語で「祭り」や「祝祭」を意味します。1度目のイードは「イード・アル=フィトル(Eid al-Fitr)」と呼ばれるもので、ラマダンの終わりを祝う祭りでした。
今回のイードは「イード・アル=アドハー(Eid al-Adha)」と呼ばれるもので、「犠牲祭」とも称されます。前回と同様、街は賑やかで人々もイードに向けた準備で慌ただしい様子が見られました。ただ前回と異なるところは、イード・アル=アドハーでは羊が生贄として捧げられるというところです。
犠牲祭の由来は、「信仰の父」として知られている預言者イブラヒムの物語に由来しているといわれています。彼は信仰心が深く、アッラーの啓示に従い、息子のイスマーイールを犠牲にしようとしました。しかし、彼の信仰の深さに感銘したアッラーは息子の代わりに羊を差し出させたという話がイスラーム教の聖典・クルアーンに記されています。このように、イード・アル=アドハーはイブラヒムの忠誠心を称えるとともに、動物を生贄として捧げ、神に感謝の気持ちを伝える祭典です。
イード・アル=アドハーに向けて街のあちこちで羊が飼育されていました。そして、当日になると人々が屠殺場に集まり、事前に予約しておいた羊を屠ってもらい、そのお肉を持ち帰ります。

羊を選んで、印をつける

羊が屠殺場に運ばれる

丁寧にお肉を部位ごとに分けていく

また、イード・アル=アドハーには「喜捨(アラビア語でザカート)を実践する」という目的もあります。
イスラーム教徒が行うべき儀礼的規範として信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼の五行があります。喜捨は五行のうちの一つであり、貧しい人や旅人に自分の財を与えることで、貪欲に打ち勝ち、身を浄める行為とされています。
そのため、犠牲祭では経済的に余裕のある人が羊を購入し、その肉を自分や家族のため、親戚や近隣住民のため、羊を経済的理由から買えない人たちために分配します。

KnKスタッフが、お肉を持って知人宅を訪ねる様子
このように、イード・アル=アドハーはムスリムの歴史と信仰深さが尊重されるお祭りでした。日本ではなかなか動物が屠殺される過程を見ることがないので、食へのありがたさを改めて感じることができました。また、異なる文化や習慣、宗教に触れることによって、人々の考えや信念を知ることができます。お互いに助け合い共に生きるこの社会に、真の豊かさを感じました。






