スタッフ日記 認定NPO法人国境なき子どもたちブログ

ムシャーガブ(騒がしい子)になったハビーブ

こんにちは。シリア難民支援 現地事業総括の松永です。

夏休みのアクティビティが開始して、数日経ちました。
夏休みは妹や弟を連れてやってくる子どもたちが多いので、先生たちも小さい子どもたちも飽きずにできるアクティビティを提供したいと考えています。
工作や音楽、演劇など、いろいろなアクティビティの中でも、子どもたちが大好きなのは演劇の授業です。
小さい子でも楽しめる人形を使っているので、見ているだけでも楽しいようです。

声音を変えて、その人形のキャラクターに合った声や話し方で、人形を操る面白さを、先生たちは実演することで教えています。

キャンプですっかりおなじみになったマリオネットのハビーブも、演劇の授業に登場します。
実はハビーブ、夏休みが始まってキャンプでのアクティビティがなかった期間に、アンマン市内のシリア人宅に遊びに往ってけがをしてしまいました。
ハビーブと遊んでいた小さな子に足を踏まれてしまって、関節の布がやぶれてしまったのでした。

キャンプの子どもたちも元気がよくて、すぐにひっぱったり触ったりしようとします。既に、きれいだった本体のフェルト部分は触りすぎてふわふわしてきました。だめ、と云って耳を貸せる子たちの数は、まだまだ少ないのが現状です。

そこで、破れてしまった布の部分に、バンドエイドの形の布をつけました。
見るからにけがをしてしまったハビーブなので、きっと子どもたちも今までよりも優しくハビーブに接してくれるでしょう。
けがの理由について、先生たちはお話を作ってくれました。

キャンプには家と家の間に砂利や大きな石のごろごろした空き地があります。よくそこで遊んでは、けがをする子どもが居るので、こんな話になりました。
ハビーブはキャンプに住んでいる、元気が良くて、でも少しムシャーガブ(騒がしい)な男の子の設定になっています。

また、授業が終わった時にも、一日の復習にハビーブが登場します。
この日の男子シフトの授業は大荒れでした。
先生の云うことが聞けない子が多くて、何をするにも大混乱、アクティビティの間、あちらこちらで泣き出す子、けんかする子が続出しました。

この日は演劇で、衣装やかつらをつけて寸劇をしたあと、ひとりの男の子が泣いていました。自分も扮装をしたかったのに、時間がなくてできなかったことで、ふてくされていたのです。
ハビーブはその子の様子に扮して、「僕もかつらつけたかったのに」と、いじけていましたが、明日の授業ではかつらをつけてあげるよ、と約束してもらって、上機嫌になっていました。
ビゼル(ひまわりやスイカの種)を食べている子も居て、授業中先生にしかられていました。
その子たちと同じように、ハビーブも授業中ひまわりの種も食べていたようです。その殻が身体についていて、先生にばれてしまいました。

子どもたちの姿に困っていた先生たちは、ハビーブをそんなムシャーガブのひとりとして、一日の振り返りに登場させています。

そんな話をしている端から机に登る子が居たり、、、、。
授業中の態度をよくしてくれるよう、子どもたちの様子を、おもしろおかしく、でも克明に描写して、ハビーブを通して子どもたちに自分たちの姿を見せていました。

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