こんにちは。
ヨルダン派遣員の松永です。
今年のラマダンは6月18日から7月16日まででした。
昨年もブログにてヨルダンのラマダンのいろいろを紹介させていただいています。
(https://ameblo.jp/knkjapan/entry-11898018594.html)
昨年も今年も夏至を挟んでのラマダン月、16時間近く断食の時間は続きます。夏の断食は他の時期に比べて苦しさもひとしおですが、その分、断食明け最初のイフタール(朝食)はいつにも増して、ありがたい食事となります。朝食といっても時間は19:50頃です。
家で一家そろって断食明のアザーン(お祈りへの呼びかけ)を迎える人、レストランで友人と食事をともにする人、黙々と食べてすぐに仕事に戻る人、イフタールの時間の過ごし方はさまざまです。
ラマダン月になると、イフタールの前に道ばたで水やナツメヤシを配る人たちを目にすることができます。これはチャリティーの一環、家にたどり着く前にイフタールの時間を迎えてしまう人々のために、配布しているのです。
昨年に引き続き、今年もヨルダン事務所に“箱”が登場しました。
昨年度まで実施していたコミュニティプログラム裨益者の青少年有志が、イフタールを配る活動をするための募金集めを始めたためです。
青少年の呼びかけでたっぷり募金が集まったので、今年は水だけではなく、シュワルマ(肉のそぎ切りの入ったサンドウィッチ)とフライドポテトやピクルスの入った弁当も配布することができました。
残念ながら弁当を配布した1日目には参加することができませんでしたが、水を配布した2日目の様子を見させてもらうことができました。
ダウンタウン近く、交通量の多い交差点に集合した青少年は水の入った段ボールを持って道に踏み出します。
信号待ちをしている車の窓を覗き込み、一台一台、一人一人へ、水のボトルを手渡ししていきます。
ラマダンカリーム、シュクラン、ヤーティク・ラーフィーなど、ラマダンを祝う言葉、また彼らの活動をねぎらう言葉が行き交います。
600個以上あった水のボトルは15分ほどでなくなり、あっという間にイフタールの時間がやってきました。水を配りきった青少年たちは、充実した表情で家へ帰っていきました。
この活動で、また一段と成長した彼らの姿を見ることができました。
このイフタール配布のチャリティー活動を企画、実行した青少年たちの何人かは、今スタッフとして現行のホストコミュニティ事業で働いています。この事業では、公立学校での補習授業実施とともに、チャリティー活動をした青少年を含むKnKスタッフが、シリア、ヨルダン人生徒へアクティビティを実施します。両国籍の子どもたちがお互いを理解しながら同じコミュニティで暮らしていくために大事なスキルをアクティビティを通じて培ってほしいという願いから、子どもたちが考えながら楽しめるさまざまなアクティビティを実施する予定です。
今回チャリティー活動に参加した青少年たちの前向きな姿勢や実行力、気持ちの強さは、きっと現場の子どもたちや教員たちに伝わり、このプログラムとコミュニティとの積極的な関わりに、一役買ってくれるに違いない、と勝手ながらに期待しています。
8月から、公立学校での夏休みの補習授業とアクティビティが始まります。