こんにちは。パレスチナ事務所の福神です。前回の記事では、スタッフをご紹介いたしましたが、今回は、スタッフ3人と私からパレスチナのおすすめスポットや料理についてご紹介したいと思います。
Q: 日本の方がパレスチナに遊びに来る際におすすめしたいことは?
オルファット:ナブルスでハンマームに行き、カナーフェを食べることをおすすめします。
ハンマーム…ターキッシュバス。スチームサウナやジャグジーがある歴史ある公衆浴場
カナーフェ…セモリナ粉で作ったぱりぱりの生地とチーズを使ったあたたかいスイーツ。アラブ諸国どこでも食べられるが、ナブルス発祥と言われている
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カナーフェ
あとは、ぜひ地元の料理を食べてみてください。特におすすめなのは、レンズ豆のスープ、マルフーフ、フリーケスープ、ダワリ、マックルーベです。
マルフーフ…ロールキャベツのような煮込み料理
フリーケスープ…ローストした青麦を使ったスープ
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フリーケスープ(手前)とラム肉
ダワリ…ブドウの葉で挽肉やお米を包んで煮込んだ料理
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ダワリ
マックルーベ…煮込んだお肉と揚げた野菜を鍋の底に敷きご飯を炊いた料理。最後に鍋をひっくり返してお皿によそう。マックルーベというアラビア語がひっくり返す、逆さま、という意味
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マックルーベ
ヌール:ぜひ、アラブ料理を地元の食堂で食べてみてください。ファラーフェルやラマダンの時期によく食べられるカターエフは、ぜひ屋台やストリートで試してみてください。
ファラーフェル…ひよこ豆のコロッケ
カターエフ…小さなパンケーキのような生地でクリームやナッツを包んだスイーツ
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カターエフ
パレスチナは自然が豊かなので、ジェリコにあるワディキルト(古い町の遺跡で、5世紀や6世紀に建てられた修道院などがある)や、ラマッラにあるアインキニヤで自然を楽しむこと、また聖地エルサレムとベツレヘムを訪れることもおすすめです。
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エルサレム:キリスト教の聖地聖墳墓教会
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クリスマスのベツレヘム:イエスが生まれた場所、生誕教会
ジェナン:おすすめしたいことはたくさんあります。まず、世界最古の都市のひとつ、ジェリコにはぜひ来てください。イエス生誕の地ベツレヘムもおすすめです。ラマッラではぜひ、ファラーフェルやホンモス、マックルーベなどの伝統的なアラブ料理を楽しんでみてください。ナブルスでのハンマーム体験もおすすめです。
ホンムス…ひよこ豆のペースト
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ホンモス(中央)、ファラーフェル(左下)
福神:3人が挙げてくれているものは、どれも本当におすすめです。私はエルサレム、ナブルス、ヘブロンの旧市街をぶらぶらすることが好きです。また、パレスチナには豊かな文化が多くあり、特に音楽は、アラブの楽器で演奏する伝統的なものから、若者に人気のバンドが演奏するアラビックポップやロック、またクラブで活躍するDJなど、幅広いジャンルの音楽を楽しむことができます。音楽フェスのような大きなイベントから、日常的に生演奏が楽しめるカフェやバーなどが揃っているので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
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ナブルスの旧市街
Q: ジェリコのおすすめは?
オルファット:ケーブルカーに乗って、誘惑の山(イエスキリストが40日間断食し、悪魔に誘惑を受けたとされる山)に行くことと、ワディキルトをハイキングすることをおすすめします。
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ジェリコ
ヌール:ジェリコは、のんびりしていて落ち着く場所として知られています。ジェリコの路地裏をぶらぶらすると、穏やかな気持ちになれると思います。他には、ヒシャム宮殿(8世8期に建てられた宮殿の跡。モザイクが有名)という遺跡と、天然の泉であるアインスルタンもおすすめです。
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ヒシャム宮殿
ジェナン:ジェリコでは、ヒシャム宮殿、アインスルタンを訪れて、ワディキルトを散策してみてください。
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ワディキルト(ジェナンモデル)
福神:ジェリコ市内~ヨルダン渓谷にかけての景色は、ヨルダンや死海、ヨルダン渓谷の山々が見えて、とても綺麗なのでおすすめです。ジェリコは世界最古の町のひとつであり、世界で一番標高が低い町(標高約-260m)でもあります。夏はものすごく暑く、連日40度以上の気温なので、歩き回るなら冬の方がおすすめです。
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ヨルダン渓谷
Q: 好きなパレスチナ(アラブ)料理は?
オルファット・ジェナン:マックルーベです。
ヌール:揚げたナスやカリフラワーが入っているマックルーベ、オーブンでローストしたチキンや野菜とフリーケやお米の料理も好きです。フリーケやお米にはアーモンドなどのナッツをトッピングして、ヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめです。
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ローストしたチキンとスパイスで炊いたお米、ナッツのトッピング
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手前のナッツが乗っているのが炊いたフリーケ。奥がダワリ 。
福神:アラブ料理はどれも大好きですが、パレスチナでよく食べられているものから選ぶなら、ダワリ、マックルーベ、フリーケスープ、カナーフェが好きです。ダワリはひき肉やお米を包んだもののほか、ハンバーグのようなひき肉をブドウの葉で包んでレモンやトマトと煮込んだものも好きです。マックルーベにはヨーグルトをお米にかけて食べるのがおすすめです。お米とヨーグルトの組み合わせに最初は驚きましたが、スパイスで炊いたお米と濃厚なヨーグルトがよく合います。ファラーフェルやチーズ、野菜がテーブルにたくさん並び、みんなで食べる朝食も好きです。KnKパレスチナ事務所でも、時々朝食会を開催しています。
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朝食
パレスチナは日本の方たちにとっては、中東の中でも特になじみがない国のひとつだと思います。どうしてもイスラエルとのパレスチナ問題が先行してしまい、「普通に旅行に行けるの?」「危ないでしょう?」と聞かれることもよくあります。実際、イスラエル兵とパレスチナ人との衝突は日常的に起こってはいますし、どんなタイミングで大規模な衝突が起こるのかはわからないのですが、旅行できないほど治安が悪いわけではありません。観光客相手に値段をふっかけてくるタクシー運転手やお土産屋さんはたまにいるものの、スリや強盗はとても少なく、むしろ、治安がいい場所と感じることがよくあります。バスの中で忘れたスマホを終点のバス停に取りに行ったらきちんと保管されていたり、タクシーの中に忘れた携帯電話をタクシー運転手が届けてくれたりと、忘れ物が返ってきた経験は何度もありますし(よく忘れ物をする恥ずかしい話なのですが…)、夜間に1人で歩いていても怖い思いをすることはまずありません。パレスチナは、今回ご紹介したアラブ料理はもちろん、自然豊かで、聖地と呼ばれる場所はじめ、歴史ある遺跡も多いですし、アラブのごちゃごちゃ感を感じられる町もあり、とにかく魅力にあふれる場所です。そして、人懐っこく、ホスピタリティにあふれるパレスチナの人たちの存在もパレスチナの大きな魅力のひとつです。
コロナウイルスの関係でイスラエルもパレスチナも国境が閉鎖しているのですが、もし今後パレスチナに遊びに来る機会がありましたら、ぜひ参考にしてみてください。
次回のブログでは、パレスチナ料理のレシピをいくつかご紹介したいと思います。