活動ニュース

学校建設プロジェクト

2010/08/02
報告:FWA プロジェクト マネジャー
アミール シャザード 日本NGO連携無償資金協力
助成事業

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学校建設プロジェクト

KnKとパートナー団体のFWAは、外務省の「日本NGO連携無償資金協力」を活用してマンセラ郡の地震被災地における学校再建設を三年計画で実施しています。マンセラ郡の多くの教育施設は2005年10月に発生した大地震で大きな被害を受けました。残念なことに、ここでは教育の基盤に関していうと、システムは完全には復興していません。地震で全壊した1947校の内1268校は政府が再建しますが、残りの679校については政府の方針もなく、マンセラ郡の計画にも含まれずに倒壊したままです。

2005年10月8日の大地震で倒壊した校舎。多くの子どもが犠牲になった。

このような学校校舎のない不安定な状況の中でも子どもたちは学校教育を続けるために緊急用に半年だけ設置されたテントの中で勉強しています。寒い冬の間や夏の暑い時季も教師や生徒たちは過酷な状況の中で学習を続けました。それ故、この地域の子どもたちは半壊した学校で学問的にも精神的にも他郡の子どもたちの学習レベルとは比べられないほどの苦境にありました。このような状況の中で両親たちは子どもたちが不安定で好ましくない環境の学校へ通うのを望みませんでした。その結果、この地域では中退率や児童労働に従事する割合が警戒レベルにまで上昇しました。

地震で校舎を失った子どもたち

マンセラ郡で倒壊した679校の再建について、最も不安だったのは政府の活動方針や戦略が示されず、近い将来におけるこれらの学校再建の見通しが立たなかったことです。FWAは政府レベルの学校再建問題に積極的に提言する団体として機能し、行動しました。現在の再建計画の下において、FWAが最初に行った最も画期的なことは、マンセラ郡の教育省と州政府を巻き込み、679校の建設計画を作成したことです。
この建設計画は三年間で6期に分け、それぞれ5校を完成させるものです。このプロジェクトの第一期は2010年3月に開始されました。2010年8月には4校が完成し、5ヶ月間で教育省に引き渡されます。

私たちの活動には、倒壊した校舎の査定と、資格を持った建設会社による耐震性のある校舎30校の建築が含まれる再建プロジェクトと、教師の能力向上、PTC(親と教師の会)メンバーと生徒会、建設対象である学校の家具やバッグなど必需品や必要設備の供給も含まれています。学校再建の評価行程は2010年1月に始まりました。危険な地域が特定され、いくつもの村の組合協会が評価のために選ばれました。最初の一ヶ月で評価は終わり、再建が必要な学校として30校が認定されました。 建設計画を効率良く実施するために、プロジェクト・マネージャーと現場の技術者たちで構成された専門の技術チームが責任を持って規格に従い現場の監督を請け負いました。このプロジェクトの現場訪問や土壌テスト、コンクリートテスト、鉄鋼テスト、日々の報告といったモニタリングのためにスタッフが雇われました。FWAの監視システムに加えて州と地方当局が定期的に建設の様子を確認しています。マンセラ郡の職業サービス省から技術者の代表が毎月現場を訪問し、情報などを共有しています。

建設が進められている校舎

4校舎の建設(現場の片付け、下塗り、壁、電気やトレイの整備)は全て完成に向けて迅速に進められています。再建事業と共に重点が置かれているのは「親と教師の会」(PTC)と生徒会(SRC)の能力を改善することです。SRCのトレーニングは学校環境の問題に対し生徒たちに関心を持たせるために行われてきました。同じように教師とPTCメンバーのトレーニングが実施され、各学校の壁にお知らせのポスターが掲示される予定です。

再建計画がもたらす数字は、皆にとって大変励みになっています。第一期の完了後には600人以上の子どもたちが安全な環境の下で教育を受けられるでしょう。30校全てが完成した後には、約9000人の子どもが教育支援を受けられるようになります。外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用と日本の皆さまからのご支援により、2013年に30校の校舎を完成させるための活動が続けられています。

生徒会のためのトレーニングセッション

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学校建設プロジェクトの目的は、建物の建設だけに限らず学校レベルにおいて学習環境を良くすることや全体的や行動や態度を改善することもこのプロジェクトにおける重要な目的の一つです。
子どもたちは学校でリーダーや貢献者として活動する状況の中で、より多くのことを学びます。彼らは学校をより良くする活動に携わることで貢献できると示すことができます。

FWAは第一期に完成する4校全てにおいて生徒会(SRC)を制定しました。この目的は、生徒たちの才能や技術、また新しい技術を開発するための関心を表明する機会の提供と、生徒たちのリーダーシップを引き出し、訓練する基盤を提供することです。計4校の生徒会が制定され、女子30人男子10人の計40人を対象としたトレーニングセッションが6月29日と30日の両日、各地域で開催されました。これらのトレーニングセッションの紹介語に司会者が全生徒に理想的な学校を絵に描くよう頼みました。それに応じて生徒たちは美しい絵を描き、その上に色を塗りました。

絵で表現したことにより、彼らが見られる理想的な学校の基礎単位を見られるように司会者は生徒をステージにあげました。ブレーンストーミングを通じて、司会者は理想の学校の特性を書き出しました。

それを用いて司会者は生徒たちに「理想的な学校をつくるためのステップは何ですか?」と尋ねました。生徒たちは学校の衛生状況を改善することや衛生状況を維持すること、集会の際に教師を手助けすることなど、素晴らしくユニークな考えを出し合い共有しました。司会者は全ての意見をボードに書きました。このセッションの最後には全ての参加者がSRCの役割と責任について非常に明快な理解を得ることができました。

生徒会での活動

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