2014/07/04
5月1日から、パレスチナの子どもたちによる合唱団のCD作りを目指して、READYFORでチャレンジを行いました。 目標金額は25万円。
おかげさまで目標達成し、7月1日に無事終了しました。ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
CD作りはこれからですが、READYFORで日々アップされていた、パレスチナ駐在員、佐藤による現地レポートを、数回にわけてご紹介します。
パレスチナ通信vol.6
学校での音楽普及活動 2014年05月24日
こんにちは。 国境なき子どもたちの佐藤です。
パレスチナの学校は現在テスト期間中です。
子どもたちも家かセンターの補習クラスで勉強です。
特に最終学年の12年生は卒業試験を来月早々にひかえ、最後の追い込み。
よい結果となるよう私たちもできる限り応援しています。
こういったテスト前などの期間を除き、私たちは学校向けの音楽の出張授業を実施しています。
「より多くの子どもたちに音楽に触れて欲しい」
そんな先生たちの思いからこの活動は始まりました。 今では週に2回程度実施するようになっています。
パレスチナの公立学校のカリキュラムに音楽の授業はありません。
楽器もないですし、専門のトレーニングを受けた先生もほとんどいないそうです。
ですが、先生方にも音楽の授業を子どもたちに受けさせたいという希望があり、学校との協力での授業が可能となりました。
パレスチナには音楽のカリキュラムもないので、学校の先生と相談しながら少しずつ子どもたちに音楽のすばらしさを伝えられるよう努力しています。
私たちの音楽の普及活動が実を結び、パレスチナの全ての学校で子どもたちが歌えるようにしたい、そう私たちは夢見ています。
この合唱団プロジェクトもその大きな一歩としたいと思っています。
今後ともご支援よろしくお願い申し上げます。
パレスチナ通信vol.7
ウィリアム先生インタビュー① 2014年06月01日
こんにちは! 国境なき子どもたちの佐藤です。
本日は私たちのプロジェクトの中心人物である音楽のウィリアム先生のインタビューをお届けします。
佐藤 「先生は何年ぐらい音楽の先生をやられていらっしゃるのですか?」
ウィリアム先生 「かれこれ30年以上になります。最初は数学や理科を教えていたのですが、学校が音楽の先生を募集していたのです。私も音楽が好きで是非やりたかったので、教え始めました。それから、学校や音楽専門の教室などで教えて続けています」
佐藤 「先生のルーツはアルメニアということですが、どのようにしてパレスチナに移住されたのでしょうか?」
ウィリアム先生 「私の父は12歳のときにトルコからエルサレムに移ってきました。第一次世界大戦のころ、アルメニア人がオスマン帝国内で迫害され、多くのアルメニア人が殺害されたので、逃げてきたのです。その後、父はパレスチナの女性と結婚し、私が生まれました」
佐藤 「どんな楽器を演奏できるのでしょうか?」
ウィリアム先生 「バイオリンやオルガンはもちろん、ウードやタブラ、ダフなどの民族楽器も演奏できます。ギターも演奏できますよ」
ウィリアム先生は作曲なども学ばれ、実際にご自身で作曲した曲なども授業で使用しているそうです。今回作るCDの収録曲の中にも伝統的な曲に加え、ウィリアム先生の曲を入れることなども検討しています。
ウィリアム先生の協力でそろそろ収録曲も発表できそうです。
楽しみにお待ちください!
パレスチナ通信vol.8
ブックレットデザイン 2014年06月04日
こんにちは。国境なき子どもたちの佐藤です。
テストも終わり、子どもたちは夏休みになります。
私たちの運営する「希望の家」でもサマースクールという夏休みの特別授業の準備で大忙しです。
今回はウィリアム先生のインタビューの続きをお届けしようと思っていましたが、一休みさせていただいてブックレットについてお知らせします。
このプロジェクトのCDブックレットのデザインはセンターのスタッフが担当します。
今担当してもらっている仕事が終わり次第、ブックレット作成を開始してもらう予定です。
パレスチナの人たちはとてもオシャレでデザインにも凝る人がとても多いです。
また、アラビア語にもアラビア習字という文化があり、多様な書き方があるそうです。
また、文字のフォントなどにもいろいろなバリエーションがあり、看板などを見ていても見飽きることがありません。
アラビア語が分からない私にとってアラビア習字は、まるで絵画のようです。
スタッフにそういったら日本語も彼らにとっては同じだと言われました。
音楽だけでなく、ブックレットのデザインでもパレスチナの文化を
感じていただければと思っています。
どうぞご期待下さい!
パレスチナ通信vol.9
ウィリアム先生インタビュー② 2014年06月08日
こんにちは。国境なき子どもたちの佐藤です。
本日はウィリアム先生のインタビューの後半をお届けします。
佐藤 「パレスチナの伝統的な歌にはどのようなものが多いのですか?」
ウィリアム先生 「多いのは故郷を思う歌です。ハイファやナザレといった都市からやってきた人たちが故郷を思う歌などです。寂しさはもちろんですが、自分たちのふるさとに帰りたくても帰れない
そういった複雑な気持ちを歌った歌が多いです」
佐藤 「パレスチナの伝統的な歌はどのような楽器を使って演奏することが多いのですか?」
ウィリアム先生「色々な楽器を使いますが、ウードやタブラを使うことが多いです。
ダフ(タンバリンのような楽器)を使っていたりもしますね」
佐藤 「先生は音楽だけでなく、本も書かれているんですよね」
ウィリアム先生 「これまでに出版されたものだけでも3冊の本を書いています。2冊は短いお話を集めたもので、もう1冊は詩の形式でお話を書いています。今も新しい子ども向けの話を考えています。占領地で暮らす女の子の物語です。これを出版することが夢なんですよ。たまに新聞に寄稿したりもしています」
佐藤 「最後にこのプロジェクトに対する意気込みをお願いします」
ウィリアム先生 「徐々にメンバーも集まってきています。日本の皆さんによい歌声を披露できるようにがんばります」
多彩な経歴を持つウィリアム先生ですが、パレスチナの心を表現したいという気持ちがとても強い方です。
夏休みに入り、メンバーも集まり始め、曲目も大枠は決まってきました。
プロジェクトが本格的に動き始めました。これからの展開をどうぞご期待ください。
パレスチナ通信vol.10
サマースクール開始! 2014年06月13日
こんにちは。 国境なき子どもたちの佐藤です。
ついにパレスチナは夏休みに突入し、「希望の家」ではサマースクールを開始しました。
パレスチナのサマースクールはまさに学校です。
子どもたちは朝からお昼まで時間割にそっていろいろな活動に挑戦します。
サマースクールによっては勉強が中心のものもありますが、「希望の家」では日頃提供している音楽や美術などを教えています。
通常期はなかなか来ることができない子どもたちも来るので、サマースクールは私たちの活動の中のハイライトの1つです。
そして、子どもたちにとってもいつもは学ぶことのできない音楽などの科目を学べるチャンスでもあります。
今年はラマダンが6月末からあるため、サマースクールそのものは例年より少し短めになりますが、最高の夏休みになるように努力していきたいと思います。