活動ニュース

フィリピン豪雨被害 - KnKの活動

2012/08/28
報告:KnKスタッフ 久野 由里子

雨季を迎えたフィリピンでは、降り続く大雨とモンスーン豪雨による影響で、首都マニラ市を始め各地で大洪水が起こり、240万人以上が被災しました。

KnKの支援活動
KnKフィリピンは大雨の続く8月7日、携帯電話で各地域の方々と連絡を取り、被災状況を調査し、8日にアジア最大の貧困地域と言われるバゴンシーラン、9日にはスモーキーマウンテンと呼ばれるゴミ山のあるパヤタスを訪問し、特に被害の大きいバゴンシーランに対し緊急支援を決定しました。

物資配布に並ぶ人々

物資配布に並ぶ人々

バゴンシーランでは1週間にわたり公立校が避難所となったため休校となりました。地方政府から1000世帯を越える被災者リストを受け取り、KnKスタッフは家庭訪問を開始し、被災状況を確認の上、被災度に合わせ、8月23日、24日に米や缶詰などの食料を約300世帯に、ノート・ペン・カバンなどの教材を約600人の子どもに配布しました。

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バゴンシーランは2009年9月にも大型台風ケッツァーナ(フィリピン名オンドイ)により大きな被害を受けており、再び被災した子どもたちは強い不安や恐怖を抱えています。そのため、スタッフ、ボランティアの方々に対し心理ケア専門家によるトレーニングを実施した後、9月には被災した子どもたち約600人を対象に、遊びや絵画を通した自己表現などの心理社会的ケアを実施する予定です。

川沿いにあった10世帯は全て流され、1世帯だけが戻ってきていた

川沿いにあった10世帯は全て流され、1世帯だけが戻ってきていた

被災状況
2009年の台風オンドイがルソン島を直撃した際、川の水かさが増し、洪水と強風によって甚大な被害を受けたにも関わらず、彼らには移住地が与えられないままに危険と隣り合わせの土地に今も暮らしています(※)。オンドイの後、KnKはUBS証券会社のご支援を受け、防災教育を地域の方々に実施しました。その教育効果により、地域住民自身が川の水かさに注意を向け、行政の警告サイレンが鳴らされた際には迅速に避難ができたため、バゴンシーランでは人的な被害は報告されていません。しかし、男性の身長を越える洪水で、電化製品、教材、食料、家の外壁が流され、さらには家自体が流されてしまった方々が大勢います。オンドイ以降、家庭用、また販売用に大切に育てていた唯一の収入源であるパパイヤやバナナなどの農作物が流されてしまった方々多いです。貧困世帯に暮らす彼らは安定した収入がなく、もちろん貯蓄もありません。

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被災した家屋

被災した家屋

ここにも家があった

ここにも家があった

フィリピンの子どもたちのために

「洪水や大雨のためにお父さんは1ヵ月くらい仕事ができない日々が続いていました。自分もおやつなどを売りながら家計を助けていたけど、KnKからの支援はとてもありがたい。食料は少しずつ食べて、できるだけ長くもつようにします」とオンドイに続き2度、自らも被災しながらKnKの支援活動でボランティアをする19歳の女性は話してくれました。時折、笑顔を見せながら活動に参加する彼女ですが、やはり今回の洪水以後、不安を感じることが多いそうです。それでもボランティアに参加するのはオンドイの時にKnKから受けた支援にとても助けられ、KnKの支援によって子どもたちが笑顔になっていったのを覚えているからとのこと。その日の朝も、家の中に入り込んだ泥の上に石を敷き詰めてからボランティアに来てくれた彼女は、9月に予定されている子どもたちのための活動にも参加することになりました。

19歳の女性(右)。スナックを売って家庭を支えながらボランティア活動に参加している。

19歳の女性(右)。スナックを売って家庭を支えながらボランティア活動に参加している。

 

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