活動ニュース

バゴンシーランの被災状況

報告:KnKスタッフ 清水匡

■バゴンシーラン

800,000人を超える人たちが暮らすマニラ首都圏最大の貧困地区バゴンシーラン。9月26日の台風襲来で2,300世帯が被災し、300軒もの家が全壊した。イポダムとアンガットダムの二つのダムから放流された大量の水が川の水かさを一気に押し上げ、岸の上に建つ家々を一瞬にして飲み込んでしまった。行き場のなくなった人たちは避難所での生活を強いられているが、わずかに残された家財や土地を守るために父親たちはどこにも避難せず、家が建っていた土地で生活をしている。

 

洪水で川の両岸がえぐられ、家が流されてしまった。

学校は一時休校となり子どもたちは家の片付けやゴミ集めなどをして家族を助けている。 かろうじて流されずにすんだ家も内部に大量の泥が流れ込み服や家財を台無しにしてしまった。他の地域に比べ被害が少ないとみなされているバゴンシーランには全くといっていいほど外部からの支援が届いていない。 KnKは行き場を失った子どもたちや乳飲み子を抱える母親を若者の家に一時避難所として受け入れている。また被害の大きい家族を対象に生活必需品などの配給の準備を進めている。

内陸部の家も中に大量の泥が浸入した。

家の中の泥を外にかき出す住民たち。

■フランクリン(13歳)

『いつも遊んでいる川が怒っているようだった。こんなに激しい嵐は初めてで怖かった。しばらくすると近所の人たちが騒ぎ始めたんだ。みんな「逃げろ逃げろ」って叫んでた。僕は何もわからずみんなが走って逃げるほうへ必死に逃げたんだ。
台風が過ぎ去って戻ってみると、そこにはもう家がなかったんだ。
川が氾濫して全部流してしまったんだ。 』

母親と妹は避難所で生活しているが、 フランクリンと父親は残された家財を守るためにここに残って生活している。

暴風雨と川の氾濫で家が流されてしまった。

■エルザ(17)

自力で家を再建する人々。 建築の知識など全くない。

高校に通うエルザ(17)。この状況では学校に通うこともできない。他の兄弟と一緒にゴミを集めて生計を助けている。

 

父親はアイスクリーム売りをしていたが、今は自力で家を建て直して働きに出れないため、子どもたちにゴミ集めの仕事をお願いしている。「一日でも早く子どもたちが学校に通えるようにしてやりたい。」と淡々と語ってくれた。

 

 

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