活動ニュース

事務局長メッセ―ジ

2011/04/13(水)
皆さま

巨大地震とそれに次ぐ津波が東北地方を襲ってから1ヶ月が経ちました。私たちは2回目の岩手県訪問から東京に戻ったところです。これまでに北茨城を2回、岩手県で壊滅的な被害を受けた地域を1回訪れました。2回目の岩手訪問は盛岡にある岩手県庁や津波の被害を受けた沿岸部市町村の教育部門の担当者にお会いすることを目的に計画したものです。まず盛岡市、次に陸前高田市、大船渡市、釜石市、大槌町、山田町の市役所や町役場を回りました。現在これらの自治体が実際に必要としている支援の要望を組み入れて、当初の活動計画を修正したところです。

A. 第1フェーズ:2011年3月19日~4月12日
4月3日付けのメッセージから変更はありませんが、岩手への2回目の訪問を終えて、第2フェーズでどのような支援をすべきかが明確に把握できました。私の手元には、要望のあった救援物資のリスト(支援要請の電話が毎日のようにあり、リストの項目は増え続けています)があり、初期段階での概算費用が示されています。今週末までには、もっと正確な数字が出るでしょう。

B. 第2フェーズ 救援助物資の詳細:2011年4月13日~6月末
岩手県の了承を得て、上記5つの市や町の教育部門の方々とミーティングを行いました。これらの部門が管轄している小中学校は合計178に上り、そのうち約23校が一部損壊または全壊しています。被災を免れた学校も、現在は避難所や物資配給センターとして使われています。そうした学校でも、できるところでは来週から、被災した学校の生徒を受け入れることになっています。
壊滅的被害を受けた広い地域のいたるところで救援活動が行われているため、多くの物資が見落とされたり、緊急とはみなされずに配送が後回しにされたりしています。来週の学校再開に必要な教材がまさにそれです。
支援者の寄付により、私たちは下記の要望全てを受け入れることができました。

【1】 山田町
1) 小中学生用制服と運動着 計710着、上履きと外靴 計900足
2) 職員室用パソコン、サーバー、電話
3) スクールバス2台 (定員:40人)
4) スクールバス1台 (定員:25~30人)
5) スクールバス3台 (定員:10人)
6) 被災は免れたものの長年使われていない、町役場近くの2棟のビルを全面改修。自宅を失った教師を15人から20人収容できます。
【2】 大槌町
8) スクールバス4台 (定員:25~30人)
9) 教育機材
10) 体育館を教室として使うための間仕切壁
【3】 釜石市
11) 小中学生用制服と運動着 計1,160着、上履きと外靴 計1,560足
12) 給食用食器 3,500セット
13) 体育館を教室として使うための間仕切壁
14) 教師用パソコン、サーバー、電話
15) スクールバス3台 (定員:40人)
16) スクールバス2台 (定員:25~30人)
17) スクールバス2台 (定員:10人)
【4】 大船渡市
18) スクールバス1台 (定員:25~30人)
19) 職員室机、椅子、教材
【5】 陸前高田市
20) 4校に浄水装置
【6】 第1および第2フェーズでのKnKによる直接支援
21) 日用品等(毛布、オムツ、スポーツ用品、チョコレート等)を配給 約3.5トン
22) ワゴン車を5台購入(さらに5台購予定)
23) 陸前高田市で新たに設立されたNPOへの援助として、ワゴン車2台、3~4人の人件費補助、ガソリン代等交通費補助

これら必需品の一部は来週末までに届けられます。見積総額は約2億4,000万円です。

C. 第2フェーズ 調査:2011年4月18日~5月11日
多くの命が奪われた上、都市や村、何千軒もの家屋、漁船、工場、商店が根こそぎ押し流されました。それだけではありません。社会ネットワークも全て破壊されました。だからこそ、学校の再開は子どもや若者のみならず、地域のすべての人にとって非常に重要であると考えます。私たちはすでに5市町の学校訪問を開始しています。同地域の小中学校の全部とはいかないまでも、大半を回る予定です。今回の調査では、学校以外の社会活動を再開したいとしている子どもや10代の若者たちのグループを、全てリストアップします。
また、地域社会や村(5~10カ所)の生活立て直し支援という最初の計画も続けていきます。多くのコミュニティ・センターや村の集会所も破壊されてしまいした。こういった施設は地元の人々が直接管理をしていますので、技術や資金面での迅速な支援がきわめて重要ではないでしょうか。

D. 第3フェーズ:2011年5月~2012年3月
1) 子どもや若者の社会活動やスポーツグループ(50~100グループ)の支援
スポーツクラブや写真・ビデオのクラブ、絵画、美術、ワークショップ、ピクニック、夏季キャンプ、KnKが進めている「友情のレポーター」など、私たちはすべての活動を応援します。また必要に応じて人材、資材、設備を提供しこうした活動の企画推進も行います。社会福祉の担当者や機関と協力し、取り残される子どもがないように注意を払います。
約5,000万円の活動費はパートナーからの資金援助でまかなわれます。
2) 地域社会(5~10ヵ所)の支援
村の集会所、コミュニティ・センター、児童館などの再建、住民の自宅再建や生活の立て直し、地元の繋がり再生への手助けをしていきます。
この活動には約7,000万円を充当します。

最後に
パリでのチャリティコンサート、サンゴバン社CEOの東京訪問、多くの企業との支援会議、世界中からの励ましのメッセージ(KnKのウェブサイトには2,500を超えるメッセージが寄せられています)、多くの方からの心のこもった援助など、多くのご協力やご支援によって、このような厳しい状況の中でKnKがその役割を果していることを、大変誇りに思います。
先週、山田町の職員の方が「多くのものをいただきました。でも、ご恩返しができるかどうか分かりません…」とおっしゃっていました。その方には言いませんでしたが、それは大きな思い違いです。子どもたちが学校に戻り、以前のように遊んだり笑ったりすることで私たちは十分に報われるのですから。

次は4月18日(月)から23日(土)まで被災地を訪問する予定です。
すべての皆さまに感謝します。

認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK) 事務局長
ドミニク・レギュイエ

※この度の巨大地震・大津波で被災した子どもたちへの支援にご協力ください。
注)東北支援用としてお送りいただいたご寄付については、他の用途には使われません。

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