スオスダイ(こんにちは)。カンボジア派遣員の倉持です。
日本では、4月は入学式や入社式があったり新年度が始まる月ですね。
ここカンボジアでは、4月は新年を迎えるお正月の月(クメール正月)で、あちこちの学校や地域で「ソンクラン*」というイベントを行い、皆で新年を迎える準備をしています。
私たちも活動地近くの中学校で行われたイベントに参加したので、人生初のカンボジアソンクラン体験を現地からレポートいたします。
私が参加した中学校では、朝10時からイベントが始まって夕方まで続きます。大きなスピーカーが設置され大音量の音楽が流れる中、飲み物が買える出店があったり、記念写真が撮れるブースがあったり、中学校が素敵なイベント会場になっていました。このイベント会場も、生徒たちが手作りで何日も前から準備していたようです。
私たちは午後2時ごろに会場に到着しましたが、到着後すぐに生徒たちがベビーパウダーを手にたくさん持って、次々に私たちの顔に塗りたくり「オークン(ありがとう)」と言って去っていくというカンボジアソンクランの洗礼を受けました。また、違うところでは水でっぽうやホースを持った人が水を掛け合っていました。実はこれは、もともとは新年に仏様や家族を水で清めるという意味から始まったようですが、カンボジアの1番暑い時期でもあるということで、水を掛け合ったりベビーパウダーを掛け合うことで冷却の意味があるそうです。
少しすると、今度はティンクロと呼ばれる綱引きが行われるところで、私も中学生に交じって久しぶりに本気で綱を引っ張りました。なぜか男子VS女子のような対決になっていて、すごく不公平な気がしましたが、勝ち負けより皆と一緒に楽しむことが大事かなと言い聞かせて、でもやっぱり勝ちたくて、すごく腰を低くして必死に引っ張りました。この他にも、アンコーン(木の実を投げ合いそれを受け止める)というゲームや、ココナッツの中にお金や飴玉を入れたものをくす玉のようにして上から吊り下げ、目隠しをされた人がそれを割るというゲームなど、クメール正月にまつわる遊びを体験しました。
また、ゲームとゲームの合間にも、小さい子どもから大人まで、男子も女子も気の周りをダンスをしながらぐるぐると回るのですが、これは日本の盆踊りのようなイメージですが、踊りはソンクラン用のカンボジア(クメール)ダンスで、指先がしなやかに見えるようにするのがコツのようです。
カンボジアのクメール正月は、ワイワイと騒ぎながら楽しむ雰囲気があり、日本のしっとりとしたお正月の雰囲気とは違った趣があるな、と思いました。何より、学校の生徒たちが手作りで準備した会場で、地域の子どもたちや住人が集まって誰でも一緒に楽しむことができるというのは、地域(コミュニティ)全体で子どもたちの成長を見守っていこうというセーフティネット構築にもなるんだな、と感じました。
皆さまも、機会がありましたらぜひカンボジアのクメール正月・ソンクランを体験しにカンボジアにいらしてください!
*ソンクラン・・・旧正月にあたる4月12日から15日に行われる「水かけ祭り」として世界的に知られています。