スタッフ日記 認定NPO法人国境なき子どもたちブログ

バングラデシュのテロ事件を受けて、感じていること

 

こんにちは。海外事業部の大竹です。

 

3年程前、バングラデシュへ当時6歳の娘を連れて行きました。

とても温厚で情の籠った付き合い方をするベンガル人、ダッカの喧騒とはかけ離れた農村の美しさにも魅せられました。

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ダッカ、「ドロップインセンター」の男の子たちと

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霧に包まれた農村の朝の風景

 

ダッカの現地パートナー団体の方が一昨日スカイプで突然話しかけてくれました。

「元気だった?家族はどうしてる?」といったとりとめない会話でしたが、先日のテロ事件の後、私たちスタッフの気持ちを恐らくあれこれ案じてくれていたのでしょう。

 

バングラデシュで開発援助に携わる日本人7名が巻き込まれた事件は、同じ国で活動する私たちにとって非常にショッキングなものでした。

昨年起きた日本人やイタリア人の殺害事件を受け、現地に日本人の駐在はいないものの、バングラデシュでの支援を今後も続けていくことができるかどうか、スタッフ間で息を呑みつつも、継続のために議論を重ねています。

他の活動地と異なる脅威は何なのか、テロの標的になる特異なリスクとは何か、慎重に見直し、対策を一つ一つとっていく必要があります。

 

一方で、支援者としての心構えも新たにしなければ、と思い始めました。人口の9割がイスラム教徒のバングラデシュ。今回の事件が起こったのもラマダン(断食月)の最中です。

各地で活動するには、地元の宗教や信仰心を持つ方々への理解や敬意が十分かどうか、いつも自問していないと支援自体が成り立たなくなってしまうかもしれません。

 

私たちが今サポートしているのはダッカのストリートチルドレンや労働搾取に喘ぐ青年たちです。

今回の犯行で容疑者となった若者のうち半数は富裕層、もう半数は貧困家庭の出身といわれています。

それぞれどんな経緯で過激思想に追従したかはわかりませんが、社会に不満をもつ若者が社会を変える手立てをテロに見出していくのはとても悲しい現実です。

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劣悪な労働環境で働く青年

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青少年自身が力をつけていく

 

KnKが関わることで少しでも多くの青少年が自身の世界を拡げ、互いを受け入れ合うことができるような支援を増やしていきたいと思っています。

 

 

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