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イード祭前にストリートチルドレンに教えた4つのこと

2014/10/01
報告:プロジェクト・コーディネーター 渡辺 三帆

ラマダン明けのイード祭を知っていますか?
イスラム教にはラマダンと呼ばれる断食月があります。時期は新月の確認によって決まり、今年度は7月がラマダン月となりました。イスラム教徒はラマダン中の30日間、日の出から日没までのあいだ断食します。ラマダンは全てのイスラム教徒に強制されているものではなく、例えばイスラム教徒であっても子どもや老人、肉体労働者や妊婦、病人などは断食を免除されます。ラマダン明けのイード祭は家族と過ごす貴重な休み。日本で言うお正月のようなものです。イード祭を家族と共に迎えようと、多くの人びとが帰省するため、電車や船、バスなどどこも満席になります。

帰省ラッシュ時はストリートチルドレンの稼ぎ時
バングラデシュで最大の船着場で働くストリートチルドレンにとって、この帰省ラッシュは年で一番の稼ぎ時となります。親戚のために多くのおみやげを抱えて船に乗り込む乗客の荷物を運んだり、物乞いをするとバクシーシ(金持ちが、そうでない人に施し物をするという喜捨)も、イード祭の前の方がはずんでくれるようです。こうして毎日目が回るほど働き、おみやげとともに実家に帰省する子どもたち、一方で家族との関係が良くなかったり、家族がいない子どもたちは家へ帰らず、静かになったダッカの街中でひと息つく子どもたちもいます。普段は渋滞でダッカ市内を動きまわるのは難しいのですが、イード祭中はどこも空いており、この機会にダッカ巡りをして「あそこのイルミネーションがきれいだった!」などの報告をしてくれます。

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ストリートチルドレンに教えた4つのこと
ラマダン中、日が落ちる夜7時頃、お祈りをし、家族や友人たちと今日もがんばったね、と互いをねぎらいイフタールと呼ばれる食事をします。

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イフタール

ストリートチルドレンのほとんどは断食をしませんが、センターに来る子どもたちにはラマダンの習慣について知ってもらうため、夕食としてイフタールを子どもたちに振る舞い、人前で飲食をしたり汚い言葉をつかったり、などラマダン中にはしていけないことを教えました。また、イード祭には家へ帰り、家族と共に過ごし、イード祭が終わってもストリートへと戻ってこないよう促します。

帰省する場合、

1:バスや電車の屋根の上に乗らない
2:人のたくさん乗っている船は沈没する恐れがあるので避けること
3:家に帰ったら言葉使いに気をつけること
4:乱暴な振る舞いをしないこと

などを教えます。バングラデシュではイード祭を迎えるため、皆それぞれ新調した新しい衣服を身に付ける習慣があります。新しい洋服を買うのが困難なストリートチルドレンのため、今年度はKnKのバングラデシュのパートナー団体であるSUF(Society for Underprivileged Families) の寄付で40人の子どもたちに新しいTシャツを渡すことができ、子どもたちも大喜びのイード祭となりました。

新しいTシャツを着て

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