2014/11/05
2013年11月8日にフィリピンを襲った巨大台風の発生から1年が経過します。
広い地域が大きな被害を受け、1,400万人が被災、6千人以上が亡くなりました。2014年10月31日付けのOCHA発表によると、今もなお約2万5千人が海岸沿いの居住禁止区域での生活から抜け出せず、安全とはいいがたい仮設住宅暮らしを余儀なくされた9万5千世帯(47万5千人)が支援を必要としています。
KnKは2014年11月現在も、この台風で被災した子どもたちへの教育支援を継続しています。
【支援の流れ】
2013年11月8日 巨大台風発生 6千人以上が亡くなり、1,400万人が被災
2013年11月下旬 フィリピンチームによる支援ニーズ調査を開始
2013年12月下旬 東京から本部スタッフが合流し支援地域を選定
2014年1月下旬 レイテ島タナワン、サマール島バサイ、マラブットの3ヵ所に
チルドレンセンターを開設
2014年11月現在 上記3ヵ所のチルドレンセンターを継続して運営
※2014年12月以降、例えば150万円のご寄付が集まればさらに1ヵ月間、活動を延長できます
【現在の具体的な活動内容】
1. 学校に通っていない子ども(OSY)のための補習授業(フィリピン語、英語、算数)
2. 通学している子どものための補習授業(同上)
3. 被災した子どもへの心理ケア・サポート
4. 被災した子どもの家庭訪問
5. 子どもの教育や権利、保護の重要性を学ぶ保護者向けセミナーの開催
【裨益者数】
・タナワン、バサイ、マラブットで被災した子ども968名 (9歳~17歳)
・被災地域2ヵ所の保護者100名
【現地スタッフ】 17名
活動の成果
【成果その1】 巨大台風の影響で心に傷を負った子どもたちに変化が!
⇒ 被災直後数ヵ月は海に近づけず、雨が降ると怯えて高台に逃れていた子どもたちが、
心理ケア・サポートを行い、スタッフが寄り添うことで、少しずつ落ち着きを取り戻すなどの
改善が見られました。
【成果その2】 学習機会のなかった青少年(OSY)に変化が!
⇒ 巨大台風の影響以外に、もともと家が貧しい、親の教育に対する理解不足など、子どもたちが教育にアクセスできない要因はさまざまあります。彼らはOSY(Out of School Youth)と呼ばれ、KnKの重点的な支援対象でもあります。
支援開始後、彼らにセンターに来るよう粘り強く働きかけたところ、学校に通っていなかった青少年のうち49名が就学を希望し、スタッフのサポートのもと、小・中学校や非公式教育へ登録することになりました。
【成果その3】 学習機会を得た青少年たちが賞を受賞!
⇒ 2014年9月には、勉強をがんばった青少年を表彰する「Literacy Month Celebration(主催:フィリピン教育省)」がレイテ島のアランガランで開催され、KnKが支援する17人のOSYが参加した結果、見事ひとりが作文で1位を受賞、ふたりがスペリング(綴り方)で2位を受賞、そして10人のグループがダンスで1位を受賞しました!
これまで学習機会を持たなかった子どもたちは今回の受賞で自信がつき、今以上に勉強しよう、努力しようとモチベーションがあがったそうです。
さらなるご支援のお願い
2011年3月11日、私たちは日本で未曽有の災害に襲われました。失ったものは大きすぎますが、一方で自然の驚異を再認識し、助け合うことがいかに大切で尊いものかを学びました。
1年前にフィリピン巨大台風被災地の援助として始まったレイテ島やサマール島での活動は、初めは被災地の子どもたちが日常の生活を取り戻せるようにとの支援でしたが、今では多くの子どもたちが「学ぶ」楽しさを知るきっかけになっています。
レイテ島、サマール島の子どもたちの人生の後押しを皆さまと続けていけるよう、さらなるご支援をお願いいたします。
※2014年12月以降、例えば150万円のご寄付が集まればさらに1ヵ月間、活動を延長できます
この台風被災地支援事業は、2013年12月から2014年7月の期間は認定NPO法人ジャパン・プラットフォームからの助成を充当し、7月中旬まで日本人派遣員2名を派遣しました。2014年11月現在は、生活協同組合 パルシステム東京組合員有志、岩手県高等学校教職員組合、特定非営利活動法人国際協力NGOセンター、公益財団法人 神戸新聞厚生事業団、そして日本の皆さまからのご寄付を充当し、現地スタッフが子どもたちに寄り添い活動しています。支援を継続するためには、さらなるご寄付が欠かせません。これまでいただいたご支援に改めて感謝申し上げると同時に、引き続きのご協力を何卒よろしくお願いいたします。