活動ニュース

チルドレンセンター開始!

2014/02/04
報告:プロジェクト・コーディネーター 田口伸秀

レイテ島、タナワン、サマール島バサイ、マラブットの3ヵ所で大型テントを用いたチルドレンセンターの設置が終わりました。そして心理ケア専門家によるトレーニングを受講した現地スタッフと共に、各地域9歳から17歳の子ども・青少年200~250名を対象に心理ケア・教育活動を本格的に開始しました。

歌や踊りが大好きな子どもたち (バサイ)

歌や踊りが大好きな子どもたち (バサイ)

参加している子どもたちには、家族を亡くした子、家を流され更に困窮な生活を余儀なくされている子がいます。家庭の事情だけではなく、被災が原因で授業日数が減り学習の遅れが現れ学校に行くモチベーションが低下している子どもたちが多くいます。KnKの活動を通じて彼らの学力低下を防ぐだけでなく、子どもたちのドロップアウトに発展せぬよう、継続的なサポートとケアを展開していく予定です。

算数の問題に一緒に取り組むスタッフと子どもたち (タナワン)

算数の問題に一緒に取り組むスタッフと子どもたち (タナワン)

アクティビティ終了後も残って一生懸命学習する子どもと励ましながらサポートするスタッフ(タナワン)

アクティビティ終了後も残って一生懸命学習する子どもと励ましながらサポートするスタッフ(タナワン)

チルドレンセンターを設置し、活動を開始して2週目が経ちましたが、現在は、被災により授業数が不足した分の補習と、絵画、図工、ロールプレイ等を取り入れた自己表現活動を行っています。この自己表現活動には、心理ケア専門家が作成したプログラムも含まれており、被災時の状況を表現する絵画や設定したテーマをもとに子どもたちに絵を描いてもらい、皆と共有することで心を整理したり、心の負担を和らげることを目的としています。

”手”をテーマに自己表現をする青少年たち (マラブット)

”手”をテーマに自己表現をする青少年たち
(マラブット)

いつも笑顔で活動に参加してくれる高校生の少女がいます。彼女は、台風で未だ行方の知れない父親が無事に帰って来てほしいという思いを絵で表現し、涙をこらえながらその悲しみを皆に伝えてくれました。普段接しているだけでは見えない子どもたちの悩み、苦しみをこのプログラムを通して少しでも感じることができました。思春期の多感な時期に、大切な人や家を失い、そして更に生活が苦しくなる中、いろいろな思いを抱えて生きている子どもたちがKnKの活動に参加してくれることに、改めて私たちの使命の深さを感じます。子どもたちの被災後の心理状態を把握して、彼らの心的ストレスを少しでも軽減できるように努めています。

自分の描いた作品を紹介している様子 (マラブット)

自分の描いた作品を紹介している様子 (マラブット)

KnKの子どもたちに対する支援は、センターでの活動だけではありません。もう一つ、重きをおいている活動は「家庭訪問」です。普段のセンターの活動では多くの子どもたちが参加するので一人一人とじっくり触れ合う機会が限られています。そのため、学校を既にドロップアウトした子ども、被災の影響を強く受けた子ども、被災を機に不登校になった子どもたちの家庭を中心に訪問し、家庭状況を把握するだけでなく、子どもやご家族との信頼関係構築に力を注いでいます。

子どもの家庭を訪問するソーシャルワーカー(左)

子どもの家庭を訪問するソーシャルワーカー(左)

経済的理由で学校を中退したある子どもの家庭を訪問した際、その子どもの母親は「娘が毎日嬉しそうにKnKのアクティビティの様子を語ってくれる」と感激していました。
今後も、私たちの活動が子どもたちだけでなく、そのご家庭の心の支えにもなれるよう、スタッフ一丸となって、更に継続して一人一人とコミュニケーションを取って参ります。

KnKの活動を通して、子どもたちが学用品などを手にした時の満面の笑みを見ることができた時、クレヨンを持って夢中になって絵を描いたりしている姿を目にした時、改めて皆さまのご支援に感謝の思いでいっぱいになります。

KnKがさらに子どもたちの声に耳を傾け、寄り添う存在であり続けるよう努めて参ります。

活動に参加することをいつも楽しみにしている子どもたち

活動に参加することをいつも楽しみにしている子どもたち

 

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