活動ニュース

ストリートチルドレンのための道徳セッション

2014/07/29
報告:プロジェクト・コーディネーター 渡辺 三帆

バングラデシュの首都ダッカでKnKが運営している、ストリートチルドレンのドロップインセンター。ここでは子どもたちが日々生きていくために欠かせない、朝食や昼食、基礎教育、病気や怪我などの応急処置の手当てなどを提供しています。また、こうしたことに加え、子どもたちが心身共にたくましく成長していくためにカウンセリングや社会スキル、道徳セッションなども実施しています。今回は道徳セッションに関して説明します。

ストリートチルドレンが生きていくために行っていた「盗み」を阻止
センターでは、月に2回1時間かけて、子どもたち全員に、「盗み」や「ドラッグ」、「センターのルール」などの話を道徳セッション中にすると同時に、問題がある子どもに対しては個別に話をする機会を設けています。
例えば、センターの中で一番ひんぱんにあがる問題として「盗難」があります。子どもたちはセンターで服や靴、寝てる間にポケットからお金が盗まれた、などと話します。センターではほぼ毎月、「盗み」についての話を全員にします。社会の一員として暮らすために、そして人と人とのつながりの基本となっているのは信頼関係。
しかし「盗み」をすることでその信頼関係が一気にくずれ、友だちや知り合いはあなたのもとから去っていってしまいます。「盗み」を続けるとクセになる。クセになる前に「盗み」を止め、社会の一員として認められる立派な大人になりましょうと、繰り返し声をかけています。

道徳セッションで人間としてのバリューを学ぶ
本来であれば、子どもたちは学校の先生や近所の人びと、親や家族から受ける道徳観念ふくめたしつけのなかで大人になっていきます。一方で、ストリートチルドレンの多くは親と一緒に暮らしておらず、また学校やコミュニティとは無縁の生活を送る子どもたちです。こうした子どもたちは、生きていくために必要な社会のルール、そして尊厳ある大人として、社会の一員として必要な知識である道徳の観念が非常に低いまま大人になってしまうのです。道徳観念とは、犯罪者にならないため、というだけではなく、人間としてのバリュー(意義、真価)を学ぶことでもあります。センターでは子どもたちひとりひとりが大らかに個性を伸ばせるセンター作りを目指しています。そして子どもたちには、良いことと悪いことの区別がつく人になってほしい、と願いながら毎日活動しています。

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