友情のレポーター(2024)としてカンボジアを取材した波田野優(はたの ゆう/14歳)さんより、取材レポートが届きました。
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手紙と折り紙で、ありがとう
今日は若者の家で過ごす最後の日でした。
前日の夜まで「若者の家」とお別れをすることを想像することができていませんでした。日本に帰ることを忘れさせてもらえるくらい、この6日間で楽しい思い出や多くの学び、気づきを得ることができました。
「その思いを伝えたい」と思い、ありがとうの気持ちを込めてみんなに手紙と折り紙を作りました。
朝、「若者の家」に行くと学校から帰ってきた子たちが笑顔で手を振って迎えてくれました。
日本から「若者の家」に行ったはじめての日も緊張していたわたしに明るい笑顔で手を振ってくれたり手を合わせてあいさつをしてくれました。そのときに凍ったように緊張していた心が、一瞬にして溶けたかのように、あたたかい気持ちに包まれたのを今でも覚えています。
そんなみんなへの感謝の思いを綴った手紙を渡すとみんなが嬉しそうに受け取ってくれました。翻訳したクメール語をうつして書いたのでみんなに内容が伝わるか不安でしたが、一生懸命読んでくれて、みんなからも「ありがとう」と言ってもらえました。
その後、みんなとの最後のお昼ご飯を若者の家の子どもたち全員と食べました。手紙を渡していなかった子たちにも手紙を渡したらみんな笑顔で「オークン(ありがとう)」と言ってくれてとても嬉しかったです。
家庭訪問をさせていただいた2人には2人の家族について自分なりに手紙を綴ってみました。インタビューを通じて家族と離れて過ごす寂しさや心細さがその表情から感じ取れたからです。
相手の思いを完璧に理解することはできないし、もしも相手を傷つけてしまうようなことを書いてしまっていたらどうしようと不安にもなりました。
でも、帰り際に2人や「若者の家」のみんながいつも大事に頭に付けていた髪飾りをくれたときに自分なりに通じ合うことができた、と感じることができました。
異なる言語を持っている中でも誠意と想いを抱くことで通じ合えるのだと身をもって体現することができたように思いました。
さようなら、またいつか
帰るとき、車に乗ったあと、手を振りながら1人の女の子が目を抑えていました。それが家庭訪問をした1人の子でした。
わたしが相手を傷つけないか大きな不安を抱いていた中でインタビューをさせてもらった女の子。
自分なりにがんばったつもりでも、彼女のどこか寂しそうな視線を見て申し訳ない気持ちになる場面がありました。
でも帰り際、彼女が目を抑える姿を見たときに、この世界で起きている出来事に目をつむらず、誠意を持って聞いて、見ることで今まででに聞いたことのない音や声や世界を見ることができるのだと感じることができました。
そのような学びをくれたみんな、何よりもわたしを笑顔で迎えてくれた「若者の家」のみんなに感謝しかありません。
みんなとみんなにとって大切な人の幸せを祈っています。
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「友情のレポーター」プロジェクトは、日本の皆さまからのご寄付と以下の皆さまのご協賛、ご協力と助成により実現しました。
<主催>認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)
<協賛>国際ソロプチミスト東京-広尾
<協力>認定NPO法人Dialogue for People
<助成>公益財団法人三菱UFJ国際財団