活動ニュース

子どもたちの笑顔に会いに行く/友情のレポーター(2024)

友情のレポーター(2024)としてカンボジアを取材中の浅島奈央(あさしま なお/15歳)さんより、取材レポートが届きました。

* * * *  *

 

カンボジア、バッタンバンへ

2024年の「友情のレポーター」の浅島奈央です。今回私たちは、カンボジアの「若者の家」の子どもたちのもとへ派遣されました。

8月6日。成田空港から出発し、バンコク空港を経由してから、プノンペン空港へ行きました。

バンコク発の飛行機では、窓から綺麗な夜景が見えました。

プノンペン空港からホテルまでタクシーで移動。外を眺めていると、私たちと同い年か、もう少し小さい中学生がバイクに乗っていたり、たくさんの食べ物を売っている露店など、私たちが見たことのない、新鮮なものが立ち並んでいました。

8月7日。初めて「若者の家」の子どもたちに会いに行く日でした。プノンペンからバッタンバンまで車でおよそ5時間。バッタンバンに近づくにつれ、大きな建物や信号が減り、平坦な道路や、草原地帯が広がるようになり、空が広く見えるようになりました。

着いた後は、ホテルからトゥクトゥクに乗って若者の家へ行きました。

お互いに自己紹介をしたあと、「旅の指差し会話帳」を使いながら、誕生日や年齢、好きな食べ物、好きなスポーツ、みんなが好きなことを聞きました。しかし、聞きたくても会話帳に載っていないことも色々あって、そこに言語の壁があることを実感しました。それでもほんの少しずつ距離を縮めていきました。

「若者の家」の子たちと夕食会をしました。夕食は部屋ではなく広々とした屋外で、普段私たちが生活してる上では味わえない空間でした。料理は和食に近く、こんがり焼いた魚と、汁物、そしてご飯でした。汁物をご飯にかけて食べるのは知っていましたが、パリパリの魚はスプーンではほぐせなくて困っていたところを、隣にいた子が手でちぎって食べるんだよと教えてくれました。勉強にもなったし、困っていたところを助けてくれたので、とてもうれしかったです。

夕食会の最後に二つのケーキが運ばれてきました。誰かの誕生日なのかなと思っていたら、私と同行スタッフの紀子さんのケーキでした。私はとても驚いたと同時にすごくうれしくなりました。ケーキだけでなく、お手紙までくれました。文字は読めないけど、お祝いの温かい気持ちが伝わってきて、忘れられない思い出になりました。

 

ワット・バナンへ遠足

8月8日。子どもたちと遠足に行きました。この遠足を機に仲良くしたいと思いながらバスに乗って子どもたちに会いに行きました。「若者の家」に着いた時、ブランコに乗った女の子二人がいました。キンリ―ちゃんとチャントレイアちゃん。二人に自己紹介をして、二人の年齢や、誕生日、好きなスポーツを聞いてみると、すぐに仲良くなってくれました。

バスに揺られて30分ほど。着いた場所はワット・バナン。ヒンドゥー教シヴァ派の寺院でした。約350段の階段を上ると、5つの塔が建っていました。

神秘的な遺跡に歴史を感じました。

ワット・バナン

そのあと、みんなでお昼ご飯を食べました

本格的なカンボジア料理、レタスで、魚や野菜を巻いて食べるようですが、意外と難しく、一緒にいた子の真似をしながら食べました。食べたことのない味でしたが、おいしくて大満足でした。

その後、写真を撮ったり、ハンモックでくつろいだり。とても充実した1日でした。

 

最初のインタビュー

最後に「若者の家」へ戻ってきた際、現地代表のサカンさんと、ソーシャルワーカーのソピアップさんにインタビューしました。「若者の家」は、子どもたちが遊び、学び、生活するといった子どもたちにとっての大事な家ですが、サカンさんは、「若者の家」は子どもたちにとっての「第二の家」と語っていました。私にとってその話はとても印象に残っています。私は、家は家族がいる場所だけが家だと思っていました。しかし、サカンさんの話を聞いた時、「家は一つじゃなくてもいいんだ。」と思いました。自分の居場所と自分の事を大切に想ってくれている人がいる場所は、家と言える場所であると考えることができました。

ソピアップさんにも話を聞いた時私は、「なんでも1つ願いが叶うなら、何をお願いしますか?」と聞きました。そうすると彼女は、「子どもたちが健康で幸せに生きて欲しい。」と言っていました。その時私は、驚きました。私は、ソピアップさん本人がしたいことや、こうなりたいという夢や希望をお願いすると思っていましたが、彼女の夢は子どもたちの健康と幸せでした。私は、「ソピアップさんにとって子どもたちは、かけがえのない大切な人たちなんだな」と思い、温かくて優しい気持ちになりました。自分の願いが大切な人の幸せだと言えるソピアップさんのような素敵な人になりたいと思いました。このインタビューを通じてたくさんの気付きがありました。家は一つじゃなくてもいい。自分の願いが大切な人の幸せでありたい。二人は私にとって大事なことを教えてくれました。

インタビューに応じる現地代表のサカン(中央)

※若者の家とは

経済的な面で学校に行けない子どもたちを支援して、学校に通えるようになったり、学校に通いやすくするために部屋を準備し、勉強できる環境を整えたり、温かくておいしいごはんを出す、子どもたちが安心して学び遊べる施設です。現在は、15歳から19歳までの若者たちが暮らしています。

 

* * * *  *

「友情のレポーター」プロジェクトは、日本の皆さまからのご寄付と以下の皆さまのご協賛、ご協力と助成により実現しました。

<主催>認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)
<協賛>国際ソロプチミスト東京-広尾
<協力>認定NPO法人Dialogue for People
<助成>公益財団法人三菱UFJ国際財団

 

寄付する
寄付する
資料請求

カテゴリー

月別アーカイブ