フィリピン事業担当の久野です。
今年も子ども権利月間を祝って、子どもたちがパレードを実施しました。
朝8時前からバゴンシーランの子どもたちが集まり始めました。午後は暑くなるため、日曜日の朝8時開始という設定にしていましたが、早朝にも関わらず子どもたちは集まってきて、まだかまだかと心待ちにしている様子です。
コミュニティの若者グループCAYOのメンバーが子どもたちに「KNK」と書いた帽子を渡し、子どもたちは手に色々な「子どもの権利」を書いたボードを持っています。
CAYOのメンバーが子どもたちの安全を守りながら、子どもの権利に関する音楽をかけつつ、コミュニティの中を少し歩き、到着した会場ではCAYOのメンバーから「子どもの権利」についてオリエンテーションを行いました。
まず、子どもの定義は何か、年齢を確認し、その後、「教育を受ける権利」「遊ぶ権利」「意見を表す権利」「あらゆる暴力からの保護」など、10の権利について説明をしました。
「名前・国籍を持つ権利」の場面では、一人一人子どもたちの名前を聞きながら、みんなでその子の名前を呼ぶ、という関わりをしながら、子どもたちが興味を持てるように工夫をしていました。
ファシリテーターを務めたCAYOのメンバー、ジェナさんは、「何年も『子どもの権利』について話してきたので、年齢の幼い子どもたち相手に話すことも難しくなかったと」、自信を持って話してくれました。
この活動はCAYOメンバーが企画、運営、パレード前日には「KNK」の帽子を用意し、子どもの権利を書いたボードを準備、一日のプログラムスケジュールをみんなで考えたそうです。
ジェナさんに、子ども自身が「子どもの権利」を知ることの大切さを聞いてみたところ、「自分の権利を知ることで、自分を守ることができる、権利を行使できるようになります。それに、子どもたちが学ぶことで、友だちにも広げることができる、そうすると、他の子どもたちもいろんな危険から自分を守れるようになります。だから子どもたち自身が『子どもの権利』について知ることは大切だと思います。」と力強く話してくれました。
私自身の子ども時代を振り返ると、「子どもの権利」という言葉は知っていましたが、どんなものがあるのか、その中身については知らなかったように思います。自分自身に学びの機会がないまま大人になった今、子どもたちが権利を行使できるような社会を造る責任を負う者としてではなく、知らず知らずのうちに自分の子ども時代の「常識」を周りの子どもたちにも押し付けていないか、それが子どもたちの抑圧につながっていないか、考える一日ともなりました。