広報担当の清水です。
2019年に友情のレポーターを連れて行って以来のフィリピン出張をしてきました。日本にいる間、フィリピン事業担当の久野から事業のことはいろいろ聞いていましたが、やはり直接行くことで、肌感覚で子どもたちや地域の人たちの思いなどが伝わってきますし、変化も感じやすいです。
パヤタスのチルドレンセンターの土地を利用して母親たちがガーデニングや野菜栽培をしています。その名も「ハンズ・ユナイテッド・ガーデン」。パヤタスは地理的に勾配が激しいため、センターの庭も段々畑になっていました。区画の囲いは黄色く塗られたペットボトルを並べて、見た目にも華やかな畑です。

ハンズ・ユナイテッド・ガーデン
日本の農家には遠く及びませんが、趣味レベルではなく、野菜栽培や土壌などの講習も受けていて、母親たちの本気度がうかがえます。この日訪れたときは、ナス、オクラ、キュウリなどの野菜が実っていました。他にも柑橘系の木やハーブ、唐辛子などバリエーションも豊富です。

オクラ

ナス
「育てた野菜は市場で売ったりしているんですか?」と質問したら、
「野菜は母親たちの間で安い価格で販売しています。オーガニックだし健康にもいいし、お財布にも優しいのよ。お金もちゃんと管理しているし、新しい種や肥料を購入する資金にしているの」と答えてくれました。
NGOとしてはやはりお金の管理は心配です。そこも確認したら「ハンズ・ユナイテッド・ガーデン」には代表がいて、その下に経理や事業、資材担当などがいて、組織を監督する理事会も存在していました。
今回、何人かの子どもたちの家庭訪問をしました。学校を途中でやめて仕事をしながら、センターに通って勉強している子どもたちです。生活は困窮していますが「野菜を安く買えるようになって助かっている」という声を聞きました。
NGOが直接支援するのではなく、地域の人たちが立ち上がって生活向上に貢献している姿(システム)が素晴らしいと感じました。
そして、野菜栽培で人が集まり、家庭の悩みやストレス解消など母親たちのコミュニケーションの場となっていることは、子どもたちの家庭環境にも良い影響を与えているんじゃないかと思いました。