こんにちは。ヨルダン事務所でインターンをしている辻元です。
今週は初めてザアタリ難民キャンプを訪問しました。
ザアタリ難民キャンプはシリアとヨルダンの国境近くに位置するヨルダン最大規模、そして世界でも有数のシリア難民キャンプです。2012年に開設され、現在では約8万人のシリア難民が生活しており、小さな町のような機能を備えた場所となっています。
「難民キャンプ」と聞くと、どこか閑散としていて静かなイメージを抱く方もいるかもしれません。実は私もそうでした。しかし、キャンプ内の学校を訪れてみると、そのイメージは大きく覆されました。走り回る生徒を注意する先生の声や、物珍しそうに私を見ながら笑顔で挨拶をしてくれる生徒など、校内は活気で溢れていました。キャンプの学校は午前中(7:45~11:30)が女子、午後(12:15~15:40)は男子で分かれて授業が行われており、一コマ35分です。
今回私は男子部の学級会の様子を見学しました。普段はKnKスタッフが進行を行なっていましたが、この日は生徒が司会や書記などの役割を分担して行いました。
学級会は、生徒たちが自分に自信を持ち、社会性や責任感を育むことを目的に行われています。
日本で教育を受けた私にとって、学級会がこのような意味を持っていることに驚きました。私にとって学級会は、日本の小学校で日常的に経験してきたものでした。ルールやイベントの出し物を決める際に司会や書記を決め、机を丸く囲んで意見を出し合った記憶があります。高学年になるにつれ、段々と自分がどんな役割に向いているかがわかってきます。みんなの前でまとめるのが得意な人、ノートを見やすく書ける人、ユニークな意見を出せる人など、それぞれが自分の得意なことを見つけていました。思い返してみると、学級会は自分は何が得意で、どんな場面で力を発揮できるのかを知るきっかけになっていたのだと思います。
さて、こちらのクラスは初めて学級会が行われました。代表の生徒は、事前に進行方法を学び、しっかり準備していました。今回のテーマは「次の授業でみんなが楽しめる活動」でした。
私が見学したのは、生徒が10人ほどの10年生のクラス。スタッフたちに見守られながら、少し緊張した面持ちで学級会がスタートしました。普段とは違う状況に集中力が高まった様子で、しっかりと学級会を進めていました。手をあげて発言することを徹底し、意見を多数決でまとめ、クラスとしての結論を出しました。人前で話す機会が少ない生徒たちが、堂々とクラスをまとめている姿に、クラス全員が拍手で彼らを称賛し、無事に学級会を終えることができました。
この活動を見学して、生徒たちが互いに協力しながら議論を進めていく姿がとても印象的でした。
こうした経験を通じて、子どもたちは人生をよりよく生きる力を身につけていくのだと感じます。リーダーシップや傾聴力、協調性など、他者とともに生きていく上で大切な力を育むことができるからです。それらは、誰かに与えられるものではなく、自分自身の力で気づいていくものです。こうした活動は、子どもたちがまだ気づいていない可能性を発見する貴重な機会になるはずです。