活動ニュース

子どもが夢を持てる環境を目指して

2010/06/25
報告:プロジェクト・コーディネーター 水谷 陽子
日本NGO連携無償資金協力
助成事業

100625-001

5月18日から25日の間、KnK日本事務局の寺田会長とドミニク事務局長が東ティモールを訪問し、4つのユースセンターの活動状況を視察しました。日本からのゲスト、しかも一度に二人もの訪問ということで、各センターのスタッフの間には多少の緊張が見られたものの、どのセンターでも大歓迎を受けました。社会が落ち着くにつれ支援団体が引き上げていく中、首都に比べて発展のスピードが遅く、外国人が訪れることも少ない地方では、こうした訪問が自分たちは見捨てられていない、という安心感を住民に与えているのではないかと思います。

100625-002

寺田会長の挨拶に歌で答える少女

寺田会長の挨拶に歌で答える少女

各センターで子どもや青少年の参加者との対話がなされましたが、中でも印象的だったのが、ドミニク事務局長がビケケのユースセンターで子どもたちに尋ねた「将来何になりたいか?」という質問に対する答えです。ほとんどの子どもが「サッカーの選手」「先生」と答え、「他には?」「たとえば~」と促してようやく「首相」という答えが返ってきました。日本の子どもたちに同じ質問をしたら、もっと色々な答えが返ってくるのではないでしょうか。ビケケの生活は農業による自給自足と親族間やコミュニティー内での相互扶助によって成り立っている状態です。そんな状況では彼らが知っていてなりたいと考える職業がサッカー選手と先生以外になかったのでしょう。夢を持って、と口にするのは簡単ですが、夢は無限大のものではなく環境に左右されるものであり、子どもたちが夢というものを知りえる社会、そしてそれぞれの夢を自由に思い描ける社会を作っていくことが大切であると強く感じました。

その後に訪問したエルメラでは「将来何になりたいか?」の質問に対して「大統領。」という答えが返ってきました。数十年後、エルメラのこの若者が大統領になり、ビケケの男の子が首相になる日はやってくるでしょうか。

若者に質問を投げかける ドミニク事務局長

若者に質問を投げかける
ドミニク事務局長

英語で答える若者

英語で答える若者

戸惑いながらもそれぞれが質問に答えていた

戸惑いながらもそれぞれが質問に答えていた

少年よ、大志を抱け!とは誰もが一度は耳にした言葉であると思います。東ティモールの子どもたちが自分の将来について夢を思い描き大志を抱ける、そんな社会を作っていくためにはまだまだ手助けが必要です。今後もKnKの活動をご支援いただけるようよろしくお願いいたします。

100625-007  100625-008

ビケケ、エルメラ、バウカウにある  それぞれのセンターで記念撮影

ビケケ、エルメラ、バウカウにある
それぞれのセンターで記念撮影

 

寄付する
寄付する
資料請求

カテゴリー

月別アーカイブ