特集:児童労働

特集:児童労働

2010.06.12

なくしたい、児童労働。あなたには何ができますか?

6月12日は、国際労働機関(ILO)が定めた「児童労働反対世界デー」です。

そもそも「児童労働」とは何でしょう?

許容できる仕事と許容できない児童労働「子どもが従事する労働」のうちで、訓練の一環にあたるものや家庭生活の一部となっている軽作業で、勉強と両立可能なものは許容範囲にあると言えるでしょう。
一方で、年齢にそぐわない重労働や長時間にわたるもの、危険な作業などは許容範囲外と考えられます。
一般に、「児童労働」と言われるのはこの後者にあたります。

国際条約にしたがった定義としては、15歳未満(途上国は14歳未満、つまり義務教育を受けるべき年齢の子ども)の労働と、18歳未満の危険有害労働を指しています。

それでは、世界には「児童労働」をさせられている子どもたちは何人ぐらいいるのでしょうか?

ILOの発表では、2010年4月時点でいわゆる「児童労働」をしている子どもは2億1500万人以上もおり、少しずつ減ってきてはいますが、少なくともそのうち1億1500万人が未だ危険な仕事をさせられていると言われています。

危険な仕事、その中でも最悪の形態の児童労働は・・・
・子ども兵士
・児童買春
・児童ポルノ
・奴隷労働
・薬物取引などの不正活動

国境なき子どもたちが主に支援対象としているティーンエイジャー(15歳~17歳)に着目すると、残念ながら「児童労働」人口は2004年から2008年の間に5200万人から6200万人へと増えており懸念されています。
働く子ども全体を見ると賃金が支払われているのは、2割(5人にひとり)にしかおらず、ほとんどの子どもはお金ももらえず子ども時代の大切な時間を奪われて厳しい労働をさせられています。
また、こうした児童労働の現状の約6割がアジア・太平洋地域に集中していると言われています。

児童労働をなくすために、政府や国連機関、そして国境なき子どもたち(KnK)のようなNGOが様々な形で活動に取り組んでいます。

 

児童労働との闘い KnKの取り組みは?

100612_2

児童労働との闘い —
それは「貧困との闘い」とも言いかえることができます。

KnKはこれまで自立支援施設「若者の家」を運営し、ストリートチルドレンや人身売買の被害に遭った子どもなど、貧困家庭の犠牲となった青少年に、教育や職業訓練の機会を提供することで
彼らが社会に出て自立できるよう活動してきました。

100612_3

収入創出活動(IGA)

2006年以降は、カンボジアのバッタンバンにおいて、絹織物、縫製、籐家具の職業訓練を開始し、「若者の家」で暮らしている青少年だけでなく近隣に住む貧しい家庭の若者にも広く開放しています。
しかし単に技術を身につけるだけでは、経済発展が進まず失業率の高い国々で若者がビジネスを上手く立ち行かせていくのは難しく、挫折してしまうケースも少なくありません。
そこで、KnKは、貧困層の若者が直面する現状を克服するため、教育支援に加え、職業訓練と雇用を直結させる仕組みとして収入創出活動を実施しています。

カンボジアのバッタンバンでは、これまでに計31名の女子が収入を得て絹織物技術を磨き、家族により多くの所得をもたらすとともに、日本でもフェア・トレード商品としてその製品が販売されています。
アルコール依存症の母親によって何度もトラフィッカー(人身売買)に売られた経験のある
18歳のスレイ(仮名)は、
「訓練が始まった頃は絶望のどん底にいたけれど、今では市場で売れる製品を織れるまでになった。
母の残した借金を少しずつ返せるし、将来への希望を取り戻せた。」 と語ります。
スレイのようなケースをもっと増やし、少しでも多くの若者が自信を回復して真の自立を果たすことができるよう、KnKは、下記のような枠組みのもとに、今後も収入創出活動を発展させていく計画です。

・ 安定した就業機会を提供しながら、生産者である恵まれない状況にある若者や女性の能力向上を支援します。
・ 恵まれない状況にある若者や女性の人間の尊厳を回復し、精神的なサポートを提供します。
・ 活動の恩恵を地域住民に還元し、地域社会の活性化と生活向上を促進します。
・ 地元で現金収入の手段を持つことで、地域の児童労働や人身売買の問題を防止します。

100612_4
今後は、生産者への能力向上カリキュラムや福祉プログラムを提供してバッタンバンの活動を拡充していくとともに、バングラデシュでは、職業訓練の修了者を中心に村ベースの協働組合を形成するなど、現地のニーズに合わせた支援を進めていきます。
皆さまのご支援により、それらの活動が持続可能となります。どうかよろしくお願いいたします。

 ■ 1500円で、1人の青少年が職業訓練を受けられます。
■ 3000円で、1人の青少年が3ヶ月間学校に通い、読み書き計算を学ぶことができます。

子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています

50en  imakihu

寄付する
資料請求