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パレスチナ、研修に参加した先生たちの工夫を凝らした授業

報告:パレスチナ現地代表 福神 遥

前回の記事(https://knk.or.jp/pse181207/)で子ども支援センターでの活動を紹介させていただきましたが、パレスチナ事業ではジェリコ市内の学校教員とスクールカウンセラーにも、音楽、演劇、美術、心理ケアの研修を行っています。
研修に参加しているのは音楽や美術の教員だけではなく、アラビア語(国語)や英語、数学など教科は様々です。アラビア語や数学の授業でどのように音楽や演劇が使われているのか、今日は、音楽の研修に参加している教員たちの学校における授業の様子をご紹介していきます。

 
上の写真2枚は7年生のアラビア語の授業。
アラビア語の読み仮名と文法を覚えるため、アラビア語の歌を替え歌にした、オリジナルの歌を先生が作りました。1人1枚ずつ、単語が書かれた紙を首から下げて、自分の単語にあてはまる時に歌います。

教員への研修時には、講師の先生がキーボードの簡単な弾き方を教えました。研修に参加したこのアラビア語の先生は、当初5本の指を使ってのドレミファソラシドを弾くこともできなかったのですが、指の使い方を習い、メロディを演奏できるまでになりました。

ただ先生が説明するだけでもいい内容でも、こうやって歌を歌うことで、子どもたちはより覚えやすく、またより頭に残ります。

 
上の写真2枚もアラビア語の授業。
2年生の子どもたちが、アラビア語の読み仮名を覚える授業です。発音が難しいと言われているアラビア語ですが、それぞれ読みに合わせたポーズを作り、体を使い、大きな声を出して歌うように覚えていきます。


上の写真はアラビア語の8年生の授業。
まず、先生が黒板に音符を書き、それに合わせて子どもたちが足踏みと手拍子で、「足踏み・足踏み・手拍子・休み・手拍子・手拍子・・・」といった感じでリズム遊びをします。


次に、そのリズムに合ったアラビア語の一節をみんなで考えました。アラビア語の文章にリズムが入ることで、楽しい言葉遊びの授業になりました。


上の写真は、同じ授業内容を教員研修で行ったときの様子。単純に見えるリズムでも、実際に足と手を動かすと難しく、またそこに文章を考えるのも簡単ではありません。リズムに合わせるために無理やり単語を押し込んだり、単語が伸びてしまったり…。ぴったりの文章を考えた先生が発表すると盛り上がりました。

最後は7年生の音楽の授業をご紹介します。
授業のはじめに、リズム使いを取り入れたゲームを行いました。

先生が1、2と声を出し、それに合わせて、輪になった子どもたちが1人ずつ順番に左右の膝をたたきます。右手が1で左手が2の場合、次に叩くのは左側にいる子。左手が1で右手が2の場合、右側にいる子が次の順番です。簡単そうに見えますが、先生の掛け声に注意をしていないと、1、2のリズムが崩れて、早くなってしまったり、2の音が遅くなってしまいます。逆に、先生の掛け声ばかりに注意をして、隣の子の手の動きを見ていないと、自分の順番を間違えてしまいます。リズムに合わせること、自分の番がいつになるか、集中すること、単純に見えるゲームのような授業でも、子どもたちが学べることはあります。

ただ教科書を読み、暗記するだけの詰め込み型授業になりやすいと言われるパレスチナの授業ですが、こうして先生たちが工夫を凝らした授業を提供することで、子どもたちはより楽しく、またよりわかりやすく授業に参加することができます。

次回は、他の教科の授業の様子もご紹介いたしますので、お楽しみに!

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