活動ニュース

パレスチナの小学校で音楽や図画工作などの課外活動を開始

 

2015/06/26
報告:現地代表 石原 聡美

国境なき子どもたちは、2015年3月より、パレスチナのエルサレム県で地域の小学校における課外活動を始めました。

心を育む音楽や図画工作の時間を提供

パレスチナの小学校で学ぶ教科は、アラビア語(国語)、英語(外国語)、算数、理科、社会、宗教です。日本の小学校に見られる体育、音楽、図画工作といった教科はありません。パレスチナの教育省は、子どもたちののびのびした発達のためにも、音楽や図画工作を課外活動として取り入れることを目指していますが、新しい試みであることに加えて、資金や教員の不足を理由に、ほとんどの公立学校では実施できていないのが実情です。

このような状況にある小学校を支援するため、KnKは、これまで「希望の家」で行ってきた課外活動の経験を活かして、地域の小学校において音楽、図画工作、伝統舞踊(ダブカ)の課外活動を実施し始めました。課外活動と名付けられてはいますが、学校と調整を行って授業時間の一部を充てていますので、特別授業のような形です。

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日頃の授業で学んだことは、学期末の試験という形で成果を測りますが、課外活動については試験がありません。そこで、課外活動に参加している小学校2校の生徒が集まって、それぞれの成果を発表するイベントを、2015年4月20日に行いました。このイベントで、子どもたちは自分が取り組んだことを他のクラスの生徒や教師、また保護者にも披露することができます。子どもたちの発表を見ることで、課外活動について、教師や保護者の理解を深めることも、ねらいの一つです。

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学校間の交流を促進

図画工作の授業を受けた子どもたちは、授業で制作したリサイクル工作(家庭の不用品を材料とした工作)の作品を展示し、音楽の授業を受けている子どもたちは合唱を、伝統舞踊の授業を受けている子どもたちは踊りを披露しました。パレスチナの学校では、イベントは学校単位で行うのが普通ですが、今回、図画工作の作品を合同展示したり、合唱を2校一緒に行ったりするなどして、学校間の交流も図りました。

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成果を発表した子どもたちはもちろんのこと、課外活動の対象でないクラスの子どもたちもイベントに参加しました。生き生きと歌や踊りを披露する子どもたちを、興味津々で見入っていました。
パレスチナの学校は、5月に入ると学期末試験が始まり、その後、3ヵ月近くもある長い夏休みに入ります。8月中旬の新学期からは、より充実した内容の活動を多くの子どもたちに提供できるよう、夏休みの間に準備を進めていく予定です。

※この活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用ならびに日本の皆さまからのご支援で成り立っています。

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