活動ニュース

夢に向かって一歩前進

2011/03/02
報告:プロジェクト・コーディネーター 久野 由里子

クリスマスだけではなく、バレンタインにも花を買ったりカードを送ったりとイベントごとを満喫するフィリピンの人々ですが、今年のバレンタインには愛の告白だけではなく、嬉しい知らせがKnKには届きました。

バゴンシーランのALSの様子

バゴンシーランのALSの様子

フィリピンでは多くの子ども・青少年が貧困などの理由で学校に通うことができない現実がありますが、ALS(Alternative Learning System:代替教育システム)と呼ばれる非公式教育システムがあり、年に一度実施されるA&Eテストと呼ばれる学業修了試験に合格すると、公立学校と同等の修了資格を得ることができるのです。

KnKフィリピンでは、教育省に認証された公的資格をもつKnKスタッフ教師がバゴンシーラン・パヤタスの2地区でALSを実施しており、2010年10月にA&Eテストが実施され、2011年2月15日、ついに結果が発表されました!
受験後、今か今かと毎日結果発表をドキドキしながら待っていた合格者とALS教員の喜びの声をお届けします。

バゴンシーラン出身のジョシュア君(20)とリッキー君(18)は高校までは通うことができていたのですが、家庭の貧困などで学校を中退し2010年3月頃からALSに参加し始め、2010年の試験に見事合格することができました。しかも二人は、それぞれエッセイ、絵画でALSの特別賞を受賞しています!そんな二人はALSに通いながらも夕方5時、6時頃から朝5時、6時頃までピーナッツを売って家計を支えていました。

受賞した絵画とエッセイ、そしてトロフィー

受賞した絵画とエッセイ、そしてトロフィー

合格おめでとう!今どんな気分ですか?
ジョシュア君「試験に合格してもちろん嬉しいです。親にはまだ伝えてないけど、きっと喜んでくれると思います。」
リッキー君「卒業証書がもらえて嬉しいし、自分自身を誇りに思っています。」

ジョシュア君とキャシー先生

ジョシュア君とキャシー先生

パヤタスのALS

パヤタスのALS

二人の将来の夢は何ですか?
ジョシュア君「英語の先生になりたいです。そのためには大学に行かなければならなくて、まだ大学進学ができるかどうかわからないけど、できれば親にサポートして欲しいと思っています。」
リッキー君「僕は土木技師になりたいと思っています。」

問題を解くリッキー君

問題を解くリッキー君

ALSで教えていたキャシー先生から二人へのメッセージです。

「大学に進学してからも、もし困ったことがあったらいつでも相談にのるし、夢に向かってがんばって欲しい。いい仕事をみつけて美味しいもの一緒に食べようね。特にリッキーは土木技師になって私の家を設計してくれるって約束してくれたから楽しみにしているからね!」

「試験に合格できなかったみんなも再チャレンジして欲しい。生徒のみんなは家族みたいなものだと思っているし、ALSがあってKnKがある限り、経済的に苦しくても夢に向かってあきらめずに挑戦してほしい。」

真剣な顔つきのキャシー先生(右)

真剣な顔つきのキャシー先生(右)

一度は学校を中退した二人が、また夢に向かって歩む後押しを少しでもできていたら、そんなに嬉しいことはありません。
今後も一人でも多くの子ども・青年たちの夢が叶えられるよう、活動を続けていきます。

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