2010/06/02
報告：FWA プロジェクト マネジャー
アミール シャザード 日本NGO連携無償資金協力
助成事業

職業訓練技術大会
2005年10月に発生したパキスタン北西辺境州での地震による被害を受けた青少年のための教育支援と心理社会的ケアを目的としたプロジェクトを展開してます。今回はその中でも重要な活動のひとつでもある、女子とその家族を対象とした職業訓練をご紹介します。

職業訓練のクラスは、シンカリ、サタンガリ、バラコットの3ヶ所の職業訓練施設で行っています。その3ヶ所全ての職業訓練施設において、生徒たちの技術大会が継続的に行われています。この大会は、裨益者に訓練の機会を与えること、そして彼らの技術向上の度合いを測る目的で行われています。職業訓練施設が運営を開始してから6ヶ月が経ち、生徒たちは流行のデザインに応じた刺繍製品やシンプルな衣類、麦わらのバスケット、装飾品などおしゃれな製品を作るまでに上達しました。
5月10日から14日の間に、シンカリの職業訓練施設で最も技術が向上した5人を決める大会が行われ、訓練生24人が参加しました。参加者は各8人の3つのグループに分けられました。大会は、１週間の期間内に各グループがそれぞれ異なる製品を作ります。Ａグループは、カミーズ（Kameez）と呼ばれるシンプルなスカート、シャルワール（Shilwar）と呼ばれるズボン、そして子ども服などの洋裁製品を担当しました。Ｂグループは、枕、ベッドシート、クッションを含む刺繍製品を担当し、Ｃグループは、麦わらのバスケット、装飾鏡、ぬいぐるみやおもちゃなどのシンプルな装飾品の制作を担当しました。

日ごろの訓練の成果を活かして製品作りに集中する生徒たち

職業訓練施設のスタッフ2人が審査員となり、大会期間内に完成した製品の中から最も出来の良い5つの製品を選び、その制作を行った最も技術の熟練した5人の生徒を勝者として表彰します。大会最終日、審査員は大会で制作された全ての製品を回収し、あらかじめ決めていた審査基準を基に優秀作品5つを選定しました。優秀作品に選ばれたのは、カミーズ（スカート）が１つ、麦わらのマットが2つ、刺しゅうが施されたシャツが１つ、おもちゃの人形でした。そして最も技術が高かった生徒5人が優秀賞に選ばれ表彰されました。

選ばれた5つの優秀作品。
このほかにもすばらしい作品が
たくさん作られました。

文学朗読会
4月30日、バラコットのニューホープ・アカデミー（NHA）で文学朗読会が実施されました。朗読会は午前10時のコーラン斉唱により始まり、その後、生徒代表でナジアちゃんが聖マホメッドに尊敬を表するお祈りの唄を披露しました。マルジャーンちゃんはエッセイの朗読を行い、また４年生のクラスの女子生徒全員で世界的な著名人たちの説教を発表しました。そして最後に女子生徒が2つのチームに分かれてパキスタンの有名な詩人の詩の朗読を競い合いました。発表者の真剣な姿と同様に、聞いている女子生徒たちもその朗読会を大いに楽しみました。

バランスのとれた食生活
ＮＨＡシンカリとＮＨＡサタンガリにおいて健康と衛生に関する授業が行われました。授業の議題は、「成長期に大切なバランスのとれた食生活」です。この授業は、子どもたちにバランスのとれた食生活の重要性やそれを低価格で摂取する方法を身近に感じてもらう目的で行われました。講師たちは、まずバランスのとれた食生活をおくるために何が必要であるか、そして栄養が不足している場合、体にどのような影響があるかについて話し、栄養失調についての説明も行いました。それから毎日の食事表を用意し、朝食、昼食、そして夕食にはそれぞれどんな栄養素が含まれるべきかを説明しました。また子どもたちは、肉や野菜の日常的な食材のそれぞれに含まれるたんぱく質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルの割合についても学びました。最後に、子どもたちの質問に講師が答えてこの授業は終わりました。