活動ニュース

法に抵触した青少年の支援

2014/03/14
報告:KnKスタッフ 大竹 綾子

2013年12月20日、バンテミエンチェイ州刑務所では「人権の日」のイベントが開催されました。
当日は、KnKの基礎教育や職業訓練を受けている若年の収監者計300名が参加し、衛生用品や栄養のある軽食などを受け取り、特別な日をお祝いしました。 このイベントを通じて、刑務所内の刑務官や収監者自身が、人権のあり方についてあらためて一緒に考える機会を得ることができました。

人権の日

人権の日

KnKは、カンボジアの中でも特に貧困層の多いバンテミエンチェイ州とバッタンバン州の2ヵ所の刑務所で週に2から3回教育活動を提供しています。技術訓練では、現金収入につながりやすい縫製や自己表現の効果もある絵画を指導し、収監されている若者たちが、刑を終えて将来出所した後に職を得られるよう支援しています。

市場で売れる製品も縫えるようになった

市場で売れる製品も縫えるようになった

観光地で画家になることを夢見る訓練生もいる

観光地で画家になることを夢見る訓練生もいる

所内の劣悪な生活環境や犯した罪への罪悪感、家庭環境の問題などから多くの収監者がさまざまなストレスと将来への絶望感を抱えているのも事実です。KnKのスタッフは特に未成年の参加者に対して、カウンセリングをしたり、レクリエーション活動やスポーツの時間を設け、彼らが少しでもストレスを発散できるよう促しています。

両刑務所の収監者のうち約35%はこれまでに小学校へ通ったこともなく、文字や計算の基礎を一から学んでいます。技術を身に付けることは将来の就業につながるだけでなく、犯罪に手を染めてしまった過去を反省し、自信を回復するよいきっかけともなっているようです。

文字の読み書きから始まった識字教室

文字の読み書きから始まった識字教室

「読み書きができるようになった」「勉強して知識を身につける意欲がわいた」「社会人として生きていく価値を見出せるようになった」などという声が収監者からも多くあがるようになりました。前向きな態度がでてきたり、将来への希望を口にするようになると、モチベーションもあがり、自然と授業や訓練にも身が入ります。

極度の貧困、家族による虐待、タイへの人身売買――、さまざまな背景から何らかの形で法に触れてしまった子どもたち。刑罰を受けながらも人権が守られ、教育や訓練を受けることで、将来の更生と社会復帰に備えようと、彼らも成長しつつあります。

*カンボジアの刑務所内における子どもたちへの教育支援・職業訓練活動は、国際ボランティア貯金寄附金と皆さまからのご寄付により実施しています。

 

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