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【炎の雨】シリア難民の子どもによる作文紹介(1)

ザアタリ難民キャンプで実施する作文の授業では、読むこと・書くこと・聞くことを大切にしています。

今回は、作文の授業で7年生(13歳)の子どもが作成した本を紹介します。

炎の雨

  • ゆりこは美しい10人家族のもとに生まれたシリア人の少女です。シリアで人々は安全で豊かな暮らしをしていました。人々を隔てる壁や戦争など存在せず、人々は自由に暮らしていました。春になると子どもたちは、美しい庭で鳥や蝶々と戯れ遊びました。しかし、ある日飛行機が何の罪もない子どもたちや人々に爆弾を落とし始めました。
  • 爆弾が村に落ち始めると、無力な子どもたちは『何か自分たちが悪いことをしたのではないか』と自責の念に駆られました。子どもたちは「空が泣き、家族が怒っている」と叫びました。ゆりこだけが住んでいた村を出て、叔父の住む別の村に逃げることができました。ゆりこの目には、村に残してきた家族、人々を思って悲しみの涙が溢れました。叔父はしっかりとゆりこのお世話をし、育ててくれました。しかし、ゆりこはシリアで起こったことを忘れることができず、大人になって子どもができると自分の子どもたちにシリアで何が起こったのかを話し、気を付けるように言っていました。
  • 子どもたちはゆりこの話を聞き、いつか飛行機が攻撃に来るのではないかと恐怖に駆られ、泣き始めてしまいます。ゆりこが子どもたちに話をしていると叔父が突然やって来て、シリアの話をしないように、ゆりこを厳しくしかり始めました。ゆりこは泣き、子どもたちもゆりこの話を信じなくなりました。しかし、実際に飛行機が叔父の村にもやって来て爆撃を始めると、子どもたちはゆりこの話が真実で彼女がどれほどの悲しんでいたのかに気づきました。子どもたちは「炎の雨が降っている」と叫び、避難用のシェルターに住む生活が始まりました。
  • 不運なことに、多くの人々が、安全だと思っていた避難用のシェルターの中で命を落としました。また、多くの人々が住む場所を追われ、行き場を失い、年配の方は避難することさえできませんでした。村の人々は、ゆりこの話が冗談ではなく真実だったことに気づきました。
  • ゆりこは自分家族の悲しみと痛み、また幸せだった過去を伝えていくために自分の経験をいつも子どもたちに話しています。
    神さま、どうぞこの戦争を止め、この話が二度と繰り返し語られることがないようにお助けください。
なぜ主人公の名前が「ゆりこ」なのかは不明ですが、シリア人によくある名前ではないそうです。
作文のテーマは、子どもたち自身が考えます。「炎の雨」のように、シリア紛争を表現する子どももいれば、おとぎ話のようなストーリーを考える子どももいます。
今後も、いくつかご紹介させていただきます。

【緊急募金】この夏も、難民キャンプで課外授業を実施するには、皆さまのご支援が必要です。

夏休みを楽しみにしている子どもたちに、今年の夏も課外授業を提供できるよう、皆さまのご理解とご支援をお願いいたします。

150万円集まればできること

ヨルダン北部にあるザアタリ難民キャンプで中学校2校の夏休みの課外活動として、シリア難民の子どもたち(7~16歳)約280人に対し、情操教育をメインとした課外授業を提供します。
【具体的な使いみち】
・音楽、作文、演劇の課外活動のための文房具や材料費
・ヨルダン人教員、シリア人教員、授業運営スタッフの人件費
(*最大人数でヨルダン人教員6名、シリア人教員12名、現地スタッフ1名)
・授業運営に必要な通信費及び交通費
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【支援により得られる効果】
1. 難民キャンプ内で、学校でクラスメイトと過ごせる時間は子どもたちにとって貴重な「楽しい時間」です。シリアから逃れてきた子どもたちへ、楽しく安心できる居場所を提供し、心身の健全な成長を促進します。
2. 夏休みも継続して学校での活動に参加することで9月からの新学期の通学に対するモチベーションを高めます。
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*目標金額に達しない場合は、規模を縮小して課外活動を行います。
*目標金額以上に募金が集まった場合は、9月以降のシリア難民支援に充当します。

※Tポイントからご寄付いただけます!

※メッセージ欄に「シリア」とお書添えください。寄付金控除の対象となります。

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【ヨルダン(シリア難民支援)活動概要】

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