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シリアの戦禍で失われた家族写真/カリドさん一家(前編)

2017/4/18
報告:KnKスタッフ 清水 匡

シリアの隣国ヨルダンにおいて、首都アンマン市内で避難生活を送るシリア人の家庭を訪問し、彼らのおかれた現状を聞き取り調査しています。訪問して気付いたのは、父親がケガや病気で仕事ができず、14~15歳以上の男子が働いているケースがあることです。朝から晩まで工場などで働き、ヘトヘトになって家に戻って来る子どももいます。キャンプの外で難民が就業することは違法ですが、それでも生活のために仕事をしているシリア人は少なくありません。しかし、見つかると職を失うだけでなく、警察に捕まったりシリアに強制送還されるなど、綱渡りの状態で生活しています。

市内での暮らしはさまざまな制限がある

イスラム教徒の女性は男性に顔を見られることを好みません。家庭内においても母親や年頃の女性は、男性客が訪問すると、別の部屋にこもることもあります。避難生活など、緊張状況にある時は、特に写真を撮られることに抵抗を感じるのは当然のことです。私たちKnKもそのことを十分に理解し配慮した上で調査を行います。ほとんどの場合、「母親や年頃の女性は撮影しない」ことを条件に、写真を撮りながら生活状況やシリアから逃れてくる時の話を伺います。

年頃の娘や母親は姿を見せない

顔写真を撮られることを女性は嫌う

カリドさん一家がシリアから逃れたのは、爆撃に曝され身の危険を感じたからです。逃げる時は、すぐに帰国するつもりでいたため、最低限の荷物しか持ち出しませんでした。家族の大切な思い出となる写真もシリアに置いてきたと言います。

戦禍を逃れてくるときのことを語るカリドさん

今回はあるものを持参しました。キヤノンのセルフィーという携帯型プリンターです。普段は写真を撮っても再度訪問しない限り写真を渡すことができないのですが、これはその場でプリントすることができます。そこで、カリドさんに提案をしました。

「ご家族全員で写真を撮りませんか。この場で記念写真をプレゼントします」

すると、お父さんは奥さんと何やら相談し、奥さんは部屋に戻って行ってしまいました。

待つこと10分。

お化粧直しをした奥さんと別の部屋で隠れていたお嬢さんがよそ行きの服を着て出てくるではありませんか。そして、奥さんが「あんたはここ、お前はこっち」などと並び順の指示を出して一家全員の記念写真を撮らせていただきました。そしてすぐにプリントして1枚渡すと、それは嬉しそうに写真を眺めてくれます。

よほど嬉しかったのか「私と娘だけ撮って」とか「僕一人の写真を撮って」など、今まで警戒していたことが嘘のように自らリクエストしてくれます。

母国に置いてきた家族写真の代わりになれば・・という一心で、撮影させていただきました。

小さなプリンターから写真が出てくる

将来の思い出になる写真

お母さんも写っている全員の写真はカリドさん一家だけの大切な記念写真なので、残念ながらここでご紹介することはできません。その代わり、食事風景の撮影をご快諾くださったのでご紹介します。

スパイス入りチキンスープで炊いたお米に、バターで炒めたナッツとレーズンをのせ、さらにモロヘイヤスープをかけて食べるシリア料理。大きなお皿で家族全員が囲んで食べる、日本でいうと鍋のような感覚でしょうか。

スープで炊きみナッツをのせただけのシンプルなご飯

大皿を家族で囲んでの夕食

プレゼントした写真は各家庭で喜ばれた

後編はカリドさん一家の子どもたちをご紹介します。

子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています


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8,000円で、シリア難民の子ども1人がKnKの補習授業を受けられます。
(スクールバスの運行と軽食の経費が含まれます)
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。

※ヨルダンにおけるKnKのシリア難民支援活動は、日本の皆さまからのご寄付と認定NPO法人ジャパン・プラットフォームの助成により実施されています。

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【KnKヨルダン(シリア難民支援)活動概要】

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