活動ニュース

性別、宗教、経済的な状況を問わず、全てのシリア難民の子どもに開かれているKnKの活動

2015/08/25
報告:プロジェクトコーディネーター 鈴木 泰斗

厳しい環境

今、夏本番を迎えているヨルダン、ザアタリキャンプ。ヨルダンでは7月、8月がもっとも暑く厳しい季節となり、40度を超える日もしばしばあります。高い気温に加え、猛烈な日差しによって体感温度はそれ以上となるため、日中は外に出るのも大変です。

シリア難民が暮らすザアタリキャンプの住まいやKnKが授業を行っている学校の教室は簡易なプレハブ小屋やテントでできており、中は風通しが悪く、直射日光の熱がこもり大変暑くなります。また、キャンプでは現在、財源の不足から電気供給は夜間のみとなっているため生活はとても過酷です。暑い中でも、シリアの子どもたちは元気に笑顔で学校にやってきて、それに応えるように先生たちは汗をかきながら一生懸命に授業を行っています。

ザアタリキャンプには地域ごとに給水タンクが設置されており、定期的に給水車が来て、水を供給されます。しかし、夏場は消費が激しく供給が間に合わないこともあり、水があるときは子どもたちはうれしそうに水浴びをしたり、水遊びをしたりしています。

KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動
KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動

 

自尊心や希望を育む発表会

夏休みに入る前の学期末、活動の集大成として、KnKの授業に参加しているシリア難民の子どもたちによる発表会を行いました。発表会は子どもたちが今まで練習してきたこと・学んできたことを家族や学校の先生、他団体の職員の方に披露するチャンスです。当日は多くのゲストの方に来ていただき、子どもによる発表を楽しんでもらうと共に、KnKの活動を理解してもらうことができました。何より、発表会のような機会は子どもたちにとって大変良い経験になります。キャンプのような苛酷な環境に住む難民の子どもたちにとって、一つのことをがんばって練習して、できるようになったことをまわりの大人に披露してほめられるという経験は、避難生活の中で失いかけていた自尊心や希望、夢を取り戻すきっかけになります。いつもとは異なる雰囲気の中、多くの大人に見守られて、自分たちの成果を発表する子どもたちは少し緊張した様子でしたが、どこか誇らしげでうれしそうにみえました。

KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動
KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動
KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動

 

84%もの子どもたちに上達が見られた学期末試験

日本と同様にザアタリキャンプでも夏休みの前にはシリア難民の子どもを対象とした学期末の試験が行われます。試験期間は勉強が得意な子も、苦手な子も一生懸命がんばりました。KnKも子どもたちに提供している演劇・音楽・作文の授業を通じて、子どもたちのアラビア語の基礎能力向上を目指しております。学期初めと学期末でアラビア語の簡単なテストを行い、その結果で活動の効果をはかっています。今学期は先生たちの努力もあり、84%の子どもたちにアラビア語能力の進歩が見られました。

KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動

 

夏休み前半

KnKは夏休み期間も引き続き子どもたちへの活動を続けています。その活動は通常の授業とは異なり、演劇・音楽・作文の技術習得のみならず個人のあらゆる才能を発掘し、それらを伸ばすよう工夫しています。すでに才能の芽が出てきている子どもはその部分を伸ばし、そうでない子はさまざまなことを体験させて、才能や興味を引き出していきます。

夏休みの前半は主に、各教科の基礎的な練習やKnKの教室や庭のデコレーション、折り紙、図工、スポーツなど、勉強だけでなく、子どもたちが楽しめるように工夫しました。

150825_009 KnKヨルダン シリア難民支援活動
KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動

 

夏休み後半

夏休み後半に入った現在は、シリアの伝統的な劇やダンスの練習、ピアノ演奏、詩の朗読、ザアタリ新聞作成など比較的高度な内容の授業を行っており、子どもたちはメキメキ上達しています。また、KnKの夏休みの活動ではさまざまな背景事情を持った年代の異なる子どもたちが集まり同じ教室で活動を行います。先生の指導の下、子どもたちが協力し合い、一つのことを成し遂げることによって年代の垣根を越えて友情や相互理解が育まれています。このように活動の中で得られた技術や知識だけでなく、生徒の間で育まれる他者理解や社会性が彼らの将来を明るいものにすると考えております。

KnKヨルダン シリア難民支援活動
KnKヨルダン シリア難民支援活動 KnKヨルダン シリア難民支援活動

 

性別、人種、宗教などを問わず全ての子どもに対して開かれているKnKの活動

ザアタリキャンプは閉鎖的で難民の方がキャンプ外に出ることは申請などに時間がかかり容易なことではありません。経済的な困窮に加え、人々は遊びや仕事、勉強などの選択肢が少なく、惰性的な生活を送らざるを得ない状況です。さらに、キャンプの子どもたちは病気、いじめ、早期結婚、児童労働など、日々さまざまな危険にさらされております。そのようなシリア難民の子どもたちが置かれている状況を考え、KnKの夏休みの活動は子どもたちを守りつつ、約二ヵ月の子どもたちの夏休みを有意義にし、彼らの人生を少しでも豊かにすることを目指して行っています。性別、年齢、人種、宗教、経済的な状況、身体的特徴などに関係なく、すべての子どもに対してKnKの活動は開かれています。色とりどりに飾り付けられた部屋に父親にも友だちにもなってくれる先生がいつもいることで、すべての子どもが自分は受け入れられていると感じることができる居場所になっています。

150825_010

150825_008

9月からは新学期が始まります。現時点で4000人以上の新入生が見込まれています。KnKでも、より多くの子どもにKnKの活動を届けるために新しい学校での活動も計画中です。1人でも多くのシリア難民の子どもが生活の選択肢を増やし、人生を豊かにできるようになるためにも、暖かいご支援をお願いいたします。

KnK写真展2015 「君とまた、あの場所へ -シリア難民の子どもたち-」

シリア難民の現状について、写真を見ることでさらに理解を深めてみませんか?
2015年9月17日から新宿で開催される写真展にぜひご参加ください。
150811

子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています


50en
 imakihu
例えば9,000円で、ザアタリ難民キャンプのシリア難民の子ども1名が
約5ヵ月間、音楽などの情操教育を受けられます。
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。

※ ヨルダン、ザアタリ難民キャンプにおけるKnKの活動は、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム助成金(イラク・シリア難民・国内避難民支援)の活用と日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

関連記事:シリア危機:止まらない難民流出、疲弊する周辺国
関連記事:シリア難民の子どもたちに教育を失った世代を作らないために
【KnKヨルダン活動概要】

 

寄付する
寄付する
資料請求

カテゴリー

月別アーカイブ