活動ニュース

夢に向かう若者たち、 インドネシアのユースセンターを訪ねて

2011/10/05
報告:KnKスタッフ 熊本 晃順

2006年5月に発生したジャワ島中部地震を受け、KnKは株式会社パソナよりご寄付を頂き、2008年夏にジョグジャカルタ市グロジョガン村にユースセンターを建設することができました。
当時は地震の被害を受けた青少年250人を対象に、非公式教育や職業訓練クラスを提供し地震により教育の機会や将来の夢が途切れることのないよう支援を続けてきました。
9月中旬、建設から3年が過ぎた現在のユースセンターを訪ねてきました。

現在センターでは、縫製とバイク修理の職業訓練、子どもたちの放課後の集いの場、日本語を学ぶクラスが開講されています。

レニさん(29歳)は、センター近隣に住む女性で、1歳7ヶ月になる子どもがいるそうです。「出産直後は子どものお世話のため家にずっといることが多かったけど、今は家族が手伝ってくれています。空いた時間を使って、8月から縫製を習いに来ました」とのこと。

最初はスカート作りに始まり、現在はシャツの縫製に挑戦している。「ミシンにまだ慣れていないし、失敗もしたくないから、丁寧にゆっくりと進めています」とレニさんは話した。

最初はスカート作りに始まり、現在はシャツの縫製に挑戦している。「ミシンにまだ慣れていないし、失敗もしたくないから、丁寧にゆっくりと進めています」とレニさんは話した。

このセンターでは、政府から公認を受けた講師を招いており、縫製コースの参加者は研修を終えると修了証が発行されます。この修了証により仕事が見つけやすくなったり、また家で内職として仕事をすることもできるため、縫製は人気のコースとなっていました。

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裁縫クラスの様子

裁縫クラスの様子

また、インドネシアにはたくさんの日本車やバイクが走っています。特に、手に入れやすいバイクは急速に普及し、その結果バイク修理の需要も高まっているそうです。バイク修理を勉強している若者に将来の夢を聞いてみると、そろって「バイク修理のガレージを開きたい」と言っていました。

バイク修理を学ぶ彼らは非常に勉強熱心。

バイク修理を学ぶ彼らは非常に勉強熱心。

日本から来たKnK事務局長に 「新しい工具が必要です」「もっとスペースを広くしてください」と直談判をしていた。

日本から来たKnK事務局長に
「新しい工具が必要です」「もっとスペースを広くしてください」と直談判をしていた。

2008年の開校以降、このユースセンターでは様々な青少年たちが職業訓練や語学の授業などに参加をし、そして卒業していきました。その中には、学んだスキルを生かして企業や縫製の工場に就職した者、バイク修理のガレージを実際に開いた者もいます。今後、この卒業生たちのネットワークを作り、現在センターで一生懸命に勉強している研修生たちがその後の進路を見つけやすいよう支援する体制を作り出そうとしています。

日本語を学ぶ生徒たち。 「日本のイメージは?」と聞くと、「高い技術」、「車」、「経済力」という答えが多く返ってきた。

日本語を学ぶ生徒たち。
「日本のイメージは?」と聞くと、「高い技術」、「車」、「経済力」という答えが多く返ってきた。

地震により一度は様々なものを失ってしまった彼ら彼女らが、今自分の夢に向かって笑顔で歩みだしている姿を見ると、一人の日本人としてとても勇気づけられたように感じました。日本でも、近い将来、同じように子どもたちが笑顔で歩んでいけるよう、KnKは引き続き世界でそして日本での支援活動を続けます。

わからないことは、みんなで助け合い。

わからないことは、みんなで助け合い。

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コンピュータを学ぶ女子。インドネシアと日本の国旗を描いてくれた。

コンピュータを学ぶ女子。インドネシアと日本の国旗を描いてくれた。

センターに集まる子どもたち、KnK事務局長、センターのスタッフ。

センターに集まる子どもたち、KnK事務局長、センターのスタッフ。

 

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