活動ニュース

母親からの電話

2010/12/06
報告:プロジェクト・コーディネーター 小坂井 真季

「若者の家」に住むレアは16歳。8歳の時に母親と離れて暮らすことになり、その後は村を転々としてゴミの収集をして生活していました。彼女は当初バッタンバンにある他のNGOで生活し、その後KnKで生活することになりました。KnKでは料理を学んでおり、将来はシェフになることを夢見ています。

101206_003
母親と別れてからというもの、レアは母親の所在を全く知りませんでした。父親は幼い時に家を出ており、家族と呼べる人が誰もいません。カンボジアのお盆にあたるプチュンバンと呼ばれる時期には、多くの子どもたちが家族の待つ家に戻りますが、レアは戻る家もなくKnKで過ごしました。
そして11月のある日、ソーシャルワーカーの元に1本の電話が入りました。レアの母親が見つかったというのです。母親はもちろん一時もレアのことを忘れたことがありませんでしたが、事情があって一緒に住めなくなってしまいました。母親はレアが最初に住んでいたNGOの電話番号を持っていたのですが、その後番号を失くしてしまいずっと連絡を取ることができなかったそうです。ところが最近電話番号を見つけ、そのNGOを通してKnKに連絡が入りました。母親が見つかったというニュースに、初めは驚いて何も言えなかったレア。しかしすぐに飛び上がって喜び、嬉しさでいっぱいの表情になりました。

101206_002

母親と電話をすることができることになったとき、それまでの嬉しそうな表情から一転、少し緊張した表情になりました。8年ぶりに母親と言葉を交わすことができるようになった嬉しさと同時に、やはり8年という年月が経ち、どのように声をかけたらよいのか戸惑っているようでした。それでもやはり親子。緊張していた表情が徐々にほぐれ、すぐに嬉しさでいっぱいの表情に。途中でいったんノートを取りに部屋に戻り、母親の言葉を真剣にメモしていました。近いうちに母親のもとを訪れる約束をし、電話を切りました。

若者の家には、親の連絡先が分からない子ども、事情があって親と一緒に住むことができない子ども、お正月やお盆に家に帰ることができない子ども、など様々な事情を抱えた子どもたちがたくさんいます。普段は楽しく生活していても、家族と一緒に過ごせない寂しさを抱えています。若者の家を卒業後は、家族と楽しく、毎日笑いあって生活できる日々が訪れることを願わずにはいられません。

101206_001

KnKは、このような子どもたちが家族と共に生活をし、そして将来自立した生活を送ることができるよう様々な活動をしています。

 

寄付する
寄付する
資料請求

カテゴリー

月別アーカイブ