スタッフ日記 認定NPO法人国境なき子どもたちブログ

外国為替 プレ基礎講座 ~国際協力NGOと為替の関係~

2016.03.18

みなさん こんにちは
経理担当の、後藤です。

この度は、一部からの強いご要望にお応えし、為替について一筆啓上します。

さて、ちまたのニュースなどでは、最近株安と円高になったと騒がれていますね。
これは、時の政権の目指す方向とは逆らしく、メディアでは否定的に語られることが多いのですが、どっこいKnKにとっては、ほっと一息とってもありがたいことなのです。

というのも、KnKは国際NGOなので、日本に集まったご寄付を海外の事業地へ送金しなければなりません。
それは、世界の基軸通貨がドルなので、円でドルをお買い物するという取引が発生することでもあります。

その時、ドルという商品が市場(=為替市場)で安く売られていたら、たくさん買えるのです。
この状態が「円高」(円の価値が上がる)になります。
そうなれば、私たちは海外の事業地にたくさん送金することができます。

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お財布の中身が円だとして、その中身が「あらら、増えちゃった!」というイメージでしょうか。
例えば、あなたがお母さんから
「ドルケーキを5人分の5個買ってきて、このお金でちょうどのはずだから」とお使いを頼まれたとします。
「円高」の時は、そのお金で7個のドルケーキが買えちゃったりするのです。

ところが、ドルという商品が逆に値上がりしてしまっているとき、
いわゆる「円安」(円の価値が下がる)なのですが、
「お母さん5個買えるって言ってたのに、お財布の中身足りないよ~っ!!!」となってしまうのです。

ちなみに、2012年から2016年2月までの変化を具体的に数字で追ってみると、

2012年 1ドル=  80.82円 (平均/年)←期間中最も「円高」
2013年 1ドル=  98.65円 (平均/年)
2014年 1ドル=106.85円 (平均/年)
2015年 1ドル=122.05円 (平均/年)←期間中最も「円安」
2016年 1ドル=116.08円 (平均/2月)
(※下記の三菱リサーチ&コンサルティングのデータTTSより)
お分かりいただけるでしょうか。
じわじわじわじわと、お財布の中身が足りなくなっていくのが。

一番円高の年(2012年)と一番円安の年(昨年)を比べると、なんと50%も値上がりしているのです!
この「円安」になるか「円高」になるかの予測は、「為替を予測するのに知能指数は必要ない」という小話があるくらい、とてもむずかしいものなのですって。

でもだからといって、お財布の中身が足りなくなったら、堪ったものではありません。
KnKでは、日本で集まった大勢の方からの熱く温かい思いを、事業地の子どもたちの笑顔に結び付けていかなければならない大きな責任があるのです。ケーキを人数分きちんと配りたいのです。

という訳で、現地へご寄付を送金する担当者たちは、日頃からいったいどのタイミングで送金すればいいのか為替の動向とにらめっこして、虎視眈々、一喜一憂しています!

2012

2013

2014

2015

2016

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