活動ニュース

地域の少年少女が困難を乗り越えて、生きていく力を育む

 

2015/07/24
報告:プロジェクト・コーディネーター 土岐 三輪

地域の学校で、啓発セッションを提供

KnKは農村で女性のエンパワメント向上のために活動しています。
今年5月より、新しい活動として、地域の中学校・高校で「啓発セッション」を開始しましたので、ご報告します。

この啓発セッションでは、12~18才の少年少女に、より良く生きていくために必要な(ライフ)スキルを学んでもらいます。

バングラデシュ農村部での啓発セッション

学校の教室で、スタッフがセッションをします

現地スタッフが、地域の中学校・高校を回り、教室を借りて、20~40名ほどの生徒に啓発セッションを行います。その内容を、生徒から家族・友人に共有してもらい、地域に広めていく予定です。すでに、12校で行いました。
5月~11月まで毎月1回、各学校を訪問して、セッションを提供していきます。

 

啓発セッションの風景

セッションでは、グループワークや発表、簡単なゲームを用いながら、少年少女が積極的に参加できる雰囲気を作っています。

グループワークでは、ディスカッションしながら模造紙に書き込んでいきます

グループワークでは、ディスカッションしながら模造紙に書き込んでいきます

はじめは緊張しておとなしい少年少女たちですが、ディスカッションが進むと積極的に手を挙げて発言し始めます。他の生徒の意見へ、賛成・反対を意思表示しようと、ディスカッションは白熱します。

模造紙に書いたことを発表し、意見交換する生徒たち

模造紙に書いたことを発表し、意見交換する生徒たち

少年少女が、直面する課題を乗り越えていくために

啓発セッションで伝える「ライフスキル」とは、周囲の人とのコミュニケーション、自身の感情のコントロール、相手の痛みを理解すること、さまざまな選択肢を考えること、新しい道を探すこと、意思決定することなどです。
少年少女は大人になる中で、さまざまな課題に直面します。例えば、早婚(18才未満での強制的な結婚)を親にアレンジされそうになる、親が高校進学を許可してくれない、テストで悪い点をとって落ち込む、家族・友人とケンカした、失恋した、新しい服・ケータイ電話がほしいけれどお金がない、地域の人から暴力を受けた、といった少年少女にとって切実な課題です。
これらをどのように認識し、どのように乗り越えていくか、その方法を、ライフスキルを通して学びます。
ライフスキルによって、最悪の結末(家出をして犯罪に巻き込まれる、駆け落ちして警察に捕まる、人身売買の対象になる、暴力を受ける、ドラッグなどに手を出す、絶望して自殺する等)を避けて、より幸せな人生を送ることを期待しています。

バングラデシュ農村部での啓発セッション

中学校の女生徒たち(14~15才)

特に少女には15才くらいから、結婚という現実がやってきます。早すぎる結婚(早婚)は、望まない相手であったり、相手が15才も年上だったり、学校へ通うことができなくなったり、嫁ぎ先で暴力を受けたり、早すぎる出産により妊娠中毒になるなど、多数の問題を引き起こします。
実際に、15才のクラスでは、毎年2~3人の女の子が結婚し、高校へ進学しないそうです。また、すでに結婚した少女が、夫の許可を得て、中学校へ来ていることもあります。
少女が、両親・夫・夫の両親と円滑にコミュニケーションをとることで、より幸せになってほしいと思っています。
(法律上は18才未満の結婚は禁止されていますが、出生届けが徹底されておらず、子ども・女性の権利に関する知識が少ない農村では、残念ながら早婚という慣習は残っています。)

バングラデシュ農村部での啓発セッション

ショモドエカティ中学校の生徒25名と、講師を務めるスタッフ(両端2名)

少年少女が課題を認識し、それを乗り越える力を付けることで、より良い人生が送れることを、そして家族・地域の人々がより幸せになっていけることを願っています。

 

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※この活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用ならびに日本の皆さまからのご支援で成り立っています。

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