活動ニュース

バングラデシュの子どもに教育と夢を!

2013/11/14
報告:プロジェクト・コーディネーター 渡辺 三帆

KnKは2007年よりバングラデシュの5つの村で非公式教育事業を行っています。現在は、経済的・家庭的な理由から学校に通うことができない小学1年生から4年生までの子どもたち524名を対象に活動を行っています。

今回はこの非公式教育から卒業したスーミの話です。 スーミが7ヵ月の時に母親が亡くなり、その後父親は再婚し家を出ていきました。そして働き手を失った祖母とスーミのふたりは貧困に陥りました。スーミが8歳になる頃、スーミと同じ年頃の子どもたちが制服を着て楽しそうに学校へ通うのを見た祖母は、スーミにも教育を受けさせたい、と強く願うようになりました。しかし泥と木の葉で作られた家だけの財産しかないふたり家族には、スーミを学校へ通わせられるほどの金銭的余裕はありませんでした。
ある冬の朝、当事業に勤務するサラウディン先生は学校へ通えていない子どもはいないか、村で探していました。そしてスーミの祖母と出会いました。先生はこの家族の現状を聞き、祖母にスーミを非公式教育センターへ通わせるよう勧めました。無償で教育が受けられると聞いた祖母は喜び、直ぐにスーミを登録しました。スーミは勉強を人一倍頑張り、サラウディン先生と祖母の見守る中、2011年12月に無事センターを卒業することができました。現在スーミは公立中学校に通う6年生。入学費は無料であっても学校へ通うためにはノートやペン、制服や食費など様々な費用がかかります。祖母は家政婦として働き、時に近所の人にお金や食べ物を分けてもらいながらスーミを学校へ通わせています。祖母の夢はスーミを高校まで卒業させること。スーミは英語が好きで、将来は学校の先生になりたいと思っています。そしてサラウディン先生は現在も家族との交流を続けています。

バングラデシュでは、貧困や両親の教育への関心の低さなどの理由からたくさんの子どもたちが小学校へすら通うことができません。KnKはひとりでも多くの子どもたちに教育を受ける機会を提供し、非公式教育を卒業した後も子どもたちが勉強を続けられるよう、保護者や地域社会へ向けた啓発活動も行っています。

スーミ、家の前で

スーミ、家の前で

休みがちな生徒を家庭訪問し、親と話す

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雨季は川が増水し、身動きが取れなくなる

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家族の漁業を手伝う子ども

家族の漁業を手伝う子ども

 

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